114 スカウト
センチュリーガードの誕生である。
さて、今日はアクアの騎士団の訓練場を貸し切って、武闘会を開いている。
主催は私になっている。というのも、武闘会である程度腕の立つ者を集めて思想調査をした後センチュリーのボディーガードにしようと画策しているのだ。
そしてリーダーにはウチの影のアッシュにするので、今回アッシュには審判をやってもらっている。アッシュを借り出した時は、影のリーダーであるジットに散々恨み節を言われたものだ…。
それだけアッシュの腕がいいという事だ。
今回の武闘会はアクアと100年王国からの参加者がほとんどだ。両国は門で繋がっているから参加しやすかったのだろう。約300人から本戦の48人が出揃った。基本、本戦に出た者は思想調査結果で全員合格なのだが、一応アッシュに何人かハネてもらう。
ギンっ!ガンっ!
「うおぉぉぉぉぉ!」
「フン!」
「おおおおおおーーー!」
決勝の結果が出たようだ。長剣使いの剣士を斧使いの戦士が制したようだ。
一応武闘会という事で、賞金とトロフィーを私から授与する。
本戦出場者を集めてアッシュがハネた者を除いた40人に個々の面接を行った。
「君のセンチュリーの推しは誰だ?」
「この国のソーン代表をどう思う?」
「武闘会の結果で就職できたらする?」
「天魔の魔女と戦ってみたい?」
と聞いて20人に絞った。
「さて、諸君!!君達にはウチのアッシュから特別訓練を受けてもらう!以降私の私兵として働いてもらうためだ。腕前、思想はクリアしたので契約してもらう!なりたくない者は今出てってもらって構わない!だが、栄誉と力を求めるならついてくるがいい!」
騒つきはしたが皆その場に残った。うむうむ。
「と言っても、君達も弱い雇い主には興味が無かろう!今から私と模擬戦をして貰う!アッシュ!」
アッシュは武闘会で使った20本の模擬剣を用意する。
「さあ、皆で私にかかってくるがいい!」
「えっ?」
「20対1で私にクリーンヒットを当てられたら君達の勝ちでいい!」
「…ナメられているのか?」
「やってやるぜ!」
20人は模擬剣を手に取ると一斉に襲いかかってくる。
当然連携など微塵も無い…。
私はサクセスをスタンモードで薙いでいく。
いくら強くても訓練を受けていない20人など、盗賊の20人を少し強くしただけだ!遅れをとる私では無い!
20人を打ち倒して眺めながら…
「うむ、これから訓練を受けて最後まで耐えられれば次は1撃くらいは当てられるだろう。励めよ?アッシュ!後は任せる!」
こうしてアッシュのブートキャンプが始まった!
ユキ様が鬼…ゲフン、教官では無いようです。




