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置き去りにされた王太子の婚約者は拾われて幸せになる  作者: 朝山 みどり


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42 合同演習をしたら騒ぎになった

 42 合同演習をしたら騒ぎになった


 スター騎士団と王国騎士団は合同野外演習は実施された。


 王宮の守りを残して、全員が参加した。


 演習の開催に当たって戦闘服が配られた。適当に配られたため、スター騎士団員が王国の制服を支給され、また反対のことも起こった。


 彼らはそのことに不満も疑問もなく、野外演習を喜んだ。


 彼らは制服単位で並ぶと出発した。演習ということで隠密行動だった。



 演習は三日の予定が白熱して五日に延びた。夜襲も交えて行われたそれを経験して、騎士団は強く、たくましくなった。


 僅差で破れた王国騎士団の制服組が、前を。皇国騎士団の制服組が後ろを歩いて王都に戻った。


 この合同野外演習は間者から各国に広まった。クレールスター皇国と王国が国境で衝突したと。


 クレールスター皇国の東に位置するスペリオル皇国は、クレールスター皇国のスペリオル皇国へ向いていた目が他に回ったと判断した。戦争を仕掛けるのは今だと思い、準備を始めた。



 リーブル王国の南には小国群がある。王国の異変に気がついた各国は兼ねての約束通り、兵力を結集してクレール王都を目指した。


 小国群というのは、十から十一・十二の国の集まりだ。彼らはなんとなく親戚同士で自分を王だと称して建国したり合併したりしていた。


 面白い事に彼らはこの四・五年、リーブル王国のお茶会へ招かれていた。


 それというのもメアリーが外交手腕を見せたいと希望したため、アリスが手配して各国の年頃の令嬢を王国へ招いていたのだ。


 彼女たちの護衛は、しっかりと地理を把握して帰って行った。



 リーブル王国はすぐに対策室を作った。


 アレクとデイビスはこの事態の背景にスペリオル皇国の影を想定した。


 単なる勘違いでしかなかったとは、さしもの腹黒二人も思い至らなかった。


 対策室の室長はアレクとアリスが努めた。


 王国にいる皇国人とその家族を守るためだとアレクは宣言した。


「小国群の連合軍ですね。わたくしの初陣? にふさわしい相手ですね。力で押し切るのもありですが、試してみたいやり方があります。資料を配るわけにはいきませんので、作戦はわたくしの頭のなかだけ。皆さまは、都度の指示に従っていただくようお願いします。今日はここまで。わたくしは二・三日、留守にします」


 そういうとアリスはドアに向かったが、振り返って

「まかせて下さい」と笑うと出て行った。残ったアレクは


「いい作戦だと思う。しっかりやってくれ」と一同に言うとアリスを追った。


 アリスは王都の周りの王領をまわり、各地区の責任者と会って打ち合わせをした。


 海の一族の孫とも会った。

「アリス様……かしこまりました」と言われてアリスはうなずいた。


 アリスが出発したのと時を同じくして、王都の両騎士団は各地区の有力者や責任者のもとを訪れた。


「なんですって?それは」と言う相手に人差し指を唇に当てて声を抑えるように合図して

「本当です。王都が戦場になれば皆さんを守る方法がありません。避難していただくのが一番安全です。泊まる場所など不自由ですが出来るだけの対策をとります。小さい子や妊婦さんのいる家族は早めの出発を……慌てることはないですよ。ですが時間はあまりありません。三日たったらもう一度来ます」と言うと団員は帰っていった。


「なんてことだ」彼は慣れ親しんだ部屋を見ながら部屋を見ながらつぶやいた。


 戻って来たアリスが特務部に顔を出して、対策委員を集めた。


「王都の住民を避難させます。王都を戦場にするからです」


 委員はぽかんとアリスを見た。王都を?守る場所だよな?


「驚かれるでしょうが、王都にある城や建物の歴史的価値は理解しております。ですが、農地を荒らされるよりましだと思います。農地の復旧には時間がかかりますし、その間収穫が。それなら王都を荒らされたほうがましです。


 特務部はどこでも行けます。港にでも北でも南でも。図書館が惜しいですが……


 皆さんは身のまわりのものを持って、住民と一緒に避難して下さい。王室と貴族は各自の判断に任せます。質問はありますか?」


「いつごろの出発ですか?」


「いまのところ決まっていません。国境付近で迎え撃ったと連絡が来ています。撤退しているとも。あっ皆さまの避難先は王領です。用意は整っておりますので、そこは安心して下さい」


「手の空いたものは図書館の荷物をまとめます」


「ありがとう。お願いします」とアリスが締めくくって対策室での話は終わった。



 ◆◇◆◇◆



 そしてメアリーが戻って来た。なんとあちらの国に着く前に戻って来たと言うのだ。


「もう、海が荒れていてどうしようもなかったのよ。気持ち悪くて気持ち悪くて、あちらに近づくにつれて海がどんどん荒れていくのよ。無理だったわ。もう、結婚しない」


 帰ってきたメアリーはそう言った。


いつも読んでいただきありがとうございます!


誤字、脱字を教えていただくのもありがとうございます。

とても助かっております。

楽しんでいただけましたら、ブックマーク・★★★★★をよろしくお願いします。

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