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幸運とスキルで転生先でも生き残る  作者: なお
村興し

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青年期19

よく聞く話をケイン君が話してくれたけど、感想は特に無いかな?

歯車に出会わなかった俺の世界線かも知れないけど、俺は真理の探求に目覚めてるので、ケイン君の言うゲーミング的世界の楽しみ方から卒業している。俺も大人になっちまったんだよ。俺が転生者だった過去なんて、最早何の意味もない。この世界で一から真理を積み上げていく試みの方が万倍も面白い。


魔法のあるこの世界で、魔法と科学の融合の実験が出来るかもしれないんだ。心が踊る事この上ない。


「ケイン君の話が本当だとして、君1人でこの氾濫の全てを対処出来るのかな?朝昼晩、全ての時間で、常に休息なく戦い続けられるのかな?それが出来るなら全面的に助けても良いけど、そんな事出来ないでしょう?」


被害を出さない様に、様々な工夫がされているのも、その為の物なんだから。

誰か1人に依存したインフラは脆弱だから、システムで支えなきゃいけないんだ。

君の行動は先人の築き上げて来た知恵の真逆なんだよね。


「それに、君の知っている未来とやらもどこまで一致しているか怪しい物だ。例えば大剣使いの彼だ。彼の存在を知っていれば、君は果たしてあそこまで考え無しの行動をとっただろうか?君が鍛錬として狩った熊なり狼なりが、巡り巡って彼に影響を与えなかったかと言い切れるだろうか?」


ケイン君がハテナ顔なので説明する。


「例えば大剣さんに娘が居たとしよう。彼の娘は狼に襲われて、実は死ぬ運命だったんだ。それが君の知る英雄譚の筋書きだったが、それが起きなかった。何故なら、その群れの狼は、実は君が鍛錬と称して狩っていたからだ。君の知る物語では、1人娘を亡くし、迷宮に魅入られかけていた彼は進んで迷宮に呑まれて、この氾濫討伐に参加していなかった。だが、君が狼を狩ってしまったことで、彼は娘の嫁入りを見届けるまではとここに今も残っているのかも知れない」


大剣さんに娘が居て、嫁入りを見届けようとしているのは本当。実際彼が怠そうにしながらもまだここに留まってる理由は、本人の口から聞いたからね。


「君の知る物語を再現したいなら、君は過去も含めた未来まで、寸分違わぬ行動をしていなければならなかったんじゃないかと思うんだ。つまり、君の情報で確定的な事は、君は大剣さんを知らないし、氾濫は規模が大きいだろうって事。そして大剣さんは嫌になる程強く、俺の存在も知らなそうだったから、俺も君の行動の影響を受けている。そんなところか?」


俺の転生者案件もケイン君に擦っていくよ!


「だから、そこまでは心配しなくても問題ないんじゃないか?君は良くやってるし、氾濫が終わった後の心配でもしてればいい。あとは上位冒険者達が、敵を薙ぎ倒す様でも勉強がてら眺めていれば、いつの間にか氾濫は終息してるよ」


30層クラスとか、あの大剣さんなら余裕で薙ぎ倒すでしょ。

一瞬で真っ二つにする姿が想像出来るな。狂戦士が暴れて、周りが誰も近付けない絵面が容易に想像出来る。


彼の実力に対応出来る何かが出てくるなら、彼の存在を知っているだろう。知らないと言う事は、大剣さんは居なかったんだ。つまりこの氾濫は勝ったも同然だ。

余裕だな、ガハハ!


内心で勝利を確信した。そして我らには門番さんまでいるんだ‼︎余裕過ぎますわ!

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