青年期16
「随分と物分かりが良くなって、楽ですね」
「そうだね、とても言う事を聞いてくれる良い子になってくれて、俺も危なげなく見ていられるよ」
セシルちゃんもニッコリですか。
魔物の氾濫が起きてからも彼らは愚かな行動を控える様になった。顔を見せに行くと、恐怖と憎しみの籠った目で見つめてくるけど。
「弓の子は良い宥め役になってくれてるみたいだね。ケイン君も問題児だったけど、神官の方が問題児の助長をしていて手に負えなくしていたのかな?」
「そうかもしれませんね…彼らは英雄譚の登場人物に憧れる年頃なんでしょうが、少し行き過ぎているとは感じますね」
彼らは今日も頑張って槍衾してるね。でも、実際彼らは強くなってるのよ。上手くレベル上げをしているのか、随所でトドメを奪ってみせる活躍をみせている。
もう大丈夫かな?
「セシルちゃん、お父さんに彼らを下げるか、独立隊として運用する様に進言して下さい。これ以上は初陣組のレベル上げの邪魔になりますので」
「分かりました。他に父に何か言伝は有りますか?良ければ伝えておきますけど?」
「そうですね…彼らは有益な能力を持っていそうですが、勧誘は控えた方が良いと伝えて下さい。要らぬ問題を抱える事になりそうなので、お勧めはしないと伝えて頂ければ」
勇者君は強くなる片鱗を確かに感じるんだよ。最近は槍と剣の二刀流で剣スキルをばら撒いては殲滅後に槍を構えるみたいに、脳筋作戦だけど頑張って稼いでる。
彼らは今も元気に暴れてるけど、雑魚狩りを彼らだけにやらせるわけにはを行かないんだ。そんで、その説明はたぶん3回はしたんだ。
気に入らない仮の上官とはいえ、全く言う事を聞かない人材は兵士として扱いづらい事この上ないでしょ。だからお勧めはしませんよ。たぶん本人らもその気がないだろうし、互いに不干渉が結果的に良いと思うんだわ。
そんな事をツラツラ説明して、隊長から辞令を貰う。
勇者くーん、いっまいっくねー。
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「俺たちが後方待機⁉︎順調に討伐出来てたのに、何でだよ‼︎」
「えぇ、なので交代です。ケイン君はじめ、ウチの村の隊はだいぶ順調に討伐出来たので、他の初陣組に交代です。それでコレからなんですが、ケイン君は更なる武功を求めていそうだったので、冒険者隊の独立班に推薦しておきました。はい、コレが推薦状。コレを組合へ提出して頂ければ、あちらで処理されるでしょう」
事務手続きして来てね。じゃないと討伐に参加させてもらえないから。ウチからはお払い箱だから、しっかりとアッチで揉んでもらいなさい。
「ケイン君は確かに光るモノを感じましたので、是非生き延びて下さい。色々と有耶無耶になって、聞きそびれている事も多いのでね。討伐が終わったら、是非一度話を聞かせて下さい。それでは、ご武運を」
彼らが去っていく後ろ姿を見ながら、セシルちゃんがボソリと呟いた。
「彼らは冒険者隊本隊で上手くやっていけるんでしょうか?」
「さぁ?あそこは俺と同じか、それ以上の曲者揃いですからね。頑張れとしか言えませんよ」
哀れな子羊が、意気揚々と出ていく姿に少し憐れみを感じた。でもコレは勇者君の望みを叶えただけなんや。恨むなら勇者君を恨んでくれ…




