少年期54
「あの日あの場所で、結局何があったんだ?」
「え、本当に聞きたいんですか?さっきそれで隊長壊れちゃったんだよ?頭抱えて発狂し出したの。覚えてない?また心労で発狂するよ?」
「いや、今なら大丈夫だ…信じられないかもしれないが、さっきは不意に来たが、今なら心構えが出来ている。多少の事なら耐えられる」
本当か?軽めのジャブでもヘビー級のジャブやぞ?耐えれるんけ?
「軽めで行く?重めで行く?どっちが良い?重めで行くとまぁ、隊長また壊れると思うんだけどね」
「それじゃ、軽めで頼む。頭の中を掻き回される様なあの感じは、ゴメンだからな」
「それじゃ軽めにね。疑問があってもそう云うモノだって思って。深掘りすると、たぶん隊長耐えられなくなるから。あと、あんまりノって来ると俺も耐えられなくなるから」
耐えるってか取り繕うってかなんだけど。社会に馴染むために必要な面というか。どっちの自分も誇らしくあるし。ただ、捲れた自分は純真過ぎて、暴走しがちなのが難点ってだけ。あっちの自分も嫌いじゃないのよ。
「お前も耐えられない?」
「そう。興がノってくると俺も耐えられないのよ。抑えてる気持ちが溢れて捲れちゃうから、あんまり刺激しないでねー。そう云うもんだと飲み込んで。でも聞きたいならそれはそれで良いんだけどね。隊長はあの場に居た当事者だし、知りたいと思うんだ俺も教えることに吝かじゃないないのよ?なんなら是非知って欲しい!あの場でどんな奇跡が起き…」
ふーーーーー
「少し落ち着きました。軽めに説明しますね」
嫌いではないのよ?本当よ?純真なだけだから!
「端的に言っちゃえば、あの時あの場に居た俺以外の人間が全員、一瞬死にました。でもその一瞬の後、復活しました。大体元通りで皆さん復活した筈ですよ?」
だから何にも問題ないじゃろ?心臓が止まった訳じゃないし。
「死んだが生き返った?それが本当だとして、何が起きて、どうしてそうなった?そんな中途半端な話で…いや、それでやめとけという事か?」
「別に知りたければ止めませんよ?なんなら俺は話たいまで有りますんで。隊長は忘れているみたいですから、是非とも思い出して頂きたい!あぁ私もあの時の真なる秘蹟をあなた方が!……」
ふーーーーーふーーーー
「隊長、まだこの話続けたい? もう止まらないよ?」
俺の態度の変化にトラウマを刺激させる何かがあったのか、額の汗や手汗を頻りに拭ってる。無言で首を振り、項垂れてる。深淵はいつでもお越しをお待ちしております。覗こうとする前からガン見してるタイプの深淵なんで。
「隊長、今夜ゆっくり休んで早めに出発しなよ。ここに居るのは隊長にはまだ少し辛いみたいだから」
「あぁ、悪いがそうするとしよう。また少し話疲れたみたいだ」
「ゆっくり休んでよ『安眠』」
一度粉々に砕けた魂までは癒せないけど、気休めに回復しとくよ。
アレほどの奇跡を起こせるのは神の成せる技だよ。
てか、『降神』に近しいことを可能にするあの天秤はなんの聖遺物なんだよ…。手に余ります‼︎




