少年期41
「失われた分銅を探し出すのも面白いかもしれませんよ?」
最後にお爺さんに言われて教会を後にした。色々想う所もあるけど…ありがたい事だ。ただ、その探索って使命とかじゃないですよね?まさかね、ハハ…
村に帰ったら、礼拝堂…は、まだ無理だな。礼拝室を家になるべく早く建てて、お祀りしないと。てか、たぶん、この聖体、結構、ヤバい。
なんだろ、圧が凄い。というか俺と共鳴してそう。専用装備って感じ。専用装備ってこういう事?他の人が持ってもただのちょっとお高い品物です、みたいな。
ありがたやー。でも聖者オフにしないと魂がアッチ側に持ってかれるわ。ゴリゴリに引っ張られる。村で二重人格を疑われるくらいには引っ張られる。気をつけないと
村の外れに住む魔物を使う魔法使い
→村の外れを切り拓く皆を導く聖者
討伐ルートから勧誘ルートに変わってますわ。「本当の君はどっちなんだ!」って勇者が来そう。「僕は信じてる!」とか、勘違いした勇者(笑)が凸して来そうで笑える。
…
……
来ないよね?いや、本心よ?
伯父さん家に帰るとクララちゃんがじゃれついて来る。妹もこれ位の頃は可愛かったのに…最近は弟すら生意気に…
「アル兄、これなーに?」
箱に丁寧に納められた天秤に興味津々のクララちゃん。
あー、それは玩具じゃないからだめだよー。偉い方(神様)の特別なもの(聖別済み)だから、やめてねー。
伯父さーん、コレ金庫で預かっておいて!大事な品だから!
「おい、コレはどこから盗ってきた?」
「初手で犯罪疑うの、身内としてどうなん?」
「待て待て、俺だって商人だ。天秤と商売の神様のハルモニア様を信仰してるんだ。信心深いとは言えんが、この天秤は流石にないぞ!緻密に作り込まれた細工にこの輝きは総魔法銀で、相当に丁重に扱われているのかくすみ一つない。聖別された証までついてる。どう考えても真っ当に手に入れたとは思えん!」
「いやいや、村に新しい礼拝場を作ろうとしたら、聖別して貰う用の天秤を村に忘れちゃって。その経緯を話したら、教会のお爺さんがくれたんだよ。ほんとだよ、信じて!この純真でつぶらな目を見て!」
すげー胡散臭そうな目で見られてる。
「ちょっと確認して来る。ここで待っていろ。冗談で済む代物じゃ、決してないぞ、これは」
分かってますわ。てか商人目線でも分かる普通に高価な品物じゃったか…手加減して下さいよ…
しばらくして帰って来た伯父さんは、狐に摘まれた様な顔で呆然としてる。そりゃそうだ。俺だってそうだ。
「お前何したんだ?教会が下にも置かない対応で…何やったらあぁなるんだ?」
どしてだろねー。俺もわかんないや。
「あ、伯父さん、リストの品物集めてる間、馬使ってて良いよ。馬鹿一匹いれば馬具の計測出来るから。それ、金庫にお願いねー」
おい、馬鹿、通行人威嚇して遊んでねぇで行くぞ!
ケツを引っ叩くけど、全く応えた様子がない。調教用にコイツの鞭だけ世紀末仕様にするか悩むとこだな。




