少年期11
トゥールの街に到着してすぐに、伯父さんの店を探し当てる事にする。輜重隊のメンバーの背負う売り物を一度預けるためだ。売り物が邪魔でしょうがないからね。
街の人に尋ねて歩いて、商店を探す。目抜き通りとは言わないまでも、それなりの通りに面した店を見つけ出す事が出来た。ちなみに、価格調査も怠らない。ホセ伯父が舐めた価格を付けたら他に売り払う予定。
「ホセ伯父さんこんちわー。甥っ子のアルスが村から商品届けに来ましたよー!」
「ホセ叔父さん、ネロだ!売り物持ってきたぞ!」
店先でそれっぽい人が居たので、声をかける。てか行商に出なくなってから腹が出過ぎじゃね?
「なんだ、坊主?店主の身内か?」
全然違う人やったわ。なんかちょっと偉そう?で、客っぽくも無い感じだ。
「そうです!伯父である店主の生家がある村から、物資の搬入と救援の部隊です!いやー、此処まで遠かったぁ。今なら高く買ってやるって言われなきゃ、こんな想いしてまで運ばなかったですよ!色を付けて買ってもらわなきゃ割りに合いませんね!」
オッサンにキナ臭いものを感じて、軽い牽制を放っておく。ガキばっかりと思って侮ると、商人組合を敵に回すど?おぉん?
「店主のやつ、実家の伝手まで使って物資をかき集めておったか…抜け目無いというか、商人の鑑というか…性根逞しいわ」
不愉快そうな感じから、伯父さんとはあんまり仲がよろしくない模様。じゃぁなんで此処にいるんだって話なんだけどな。
疑問に思ってると、奥から恰幅良くなったホセ伯父さんが出てきた。店先の荷物に驚いていたが直ぐに我に返って、店先の嫌な目のオヤジに対応しだした。
伯父さんも伯父さんで、店先に居たオッサンを嫌そうにしてる。二、三やり取りしてサッサと追い払いにかかっていた。仕方ない、援護射撃してやるか。
「伯父さん、久しぶり。アルスだよ。ネロ兄も来てるよ。今の街の話も聞きたいんだけど、悪いんだけど急いで対応してくれない?荷物下ろしたら、隊長と一緒に討伐参加しに冒険者組合に行かなきゃ行けないんだって」
「なんだガキども、随分大きくなったじゃないか。待ってろ。査定は後でするから、とりあえず荷物は裏の倉庫に運んでくれ」
「身内価格とか無理だからね。村からかき集めた物だから、まける事は出来ないからね!」
「しっかりしてるな…ちゃんと査定するから、安心しなさい」
ホセ伯父さんが人の良い顔で安心する様に言ってくれるが、この人がやり手の商人だってウチら身内は知ってるんだ。徒手空拳で始まって、街に店を構えられる程になったのだ。油断しないぞ!
「一応言うと此処に来るまでの、大通りの大店で価格調査を二、三件してるからね!いつまで氾濫が続くか分からないから、価格が上昇し始めてるって情報も仕入れてるから!信じてるから!」
「全然信じてねぇじゃねぇか、このクソガキが!」
対価の前に拳骨貰いました。
身内の軽いやり取りですやーん。




