旅空17
「本当にこんな数必要?鍬も鋤も作りまくったけど、コレ運ぶのだけでも一苦労よ?」
耕作時に掘り返された邪魔なデカい岩とかもだいぶ減ってる。まぁ使ったのは主に俺なんだが。
この辺に転がってたようなのは昔に使い切ってしまったので、少し遠出して、ぽつぽつ集積されてる場所を巡ってる。石爺に作ってもらった農具は荷馬車に乗せられ、一旦倉庫付近に集積してもらう。そしたら空の荷馬車をまた走らせてもらって、完成品の輸送をしてもらう。その間も俺は石爺と次々農具をこさえていた。
何度もやったから、慣れたものよ。
3日ばかりそんな作業を繰り返して、ちょっとコレは?って疑問符が浮くぐらいはいっぱい作るハメになった。
ただ、俺の知らない間に広がった農場を具に見て回る、良い経験になった。
開拓が軌道に乗ってからは、基本的に村の中で研究に励んでる事が多かった。
地平線の彼方までは、用がなければ…用が有っても、なかなか出て行かなかったのだ。
久々に魔力を空にする勢いで使いまくった気がする。ここのところ、全部を出し切る様な事もしていなかったので、ヘトヘトになってしまったけど、爽快でもあった。
熟睡して、全力ブッパしてを繰り返す事3日で、ストップがかかった。やっと?本当にこの分使う?
「お前の力を侮ってた…もっと早く見にくれば良かったな…」
「だろうと思ったよ。途中の岩の集積場所が石材が多くて、動かないまま作り続けたからね。明らかに出荷が間に合ってなかったけど、もう良いって声も掛からなかったし、全力で作り続けたんだわ」
「壊れた時の予備だと思うさ。なんなら、あと数年もしたら、コレでも足りなくなるかもしれないぞ?」
「そこは村の石工に作らせときなよ。俺が作ったコレだって、今じゃもっと良いのが出来てるんじゃないの?農具弄ってたのなんて、開拓の初期も初期だよ?」
何も無いよりは良いけど、それって旧式じゃないの?
「細かくは変わってるかもしれないけど、今も大体はコレだぞ?」
そうなん?んー、そんならええか?…フィードバックとかで改良を重ねてると勝手に思ってたんだけどな…
「まぁ、コレで良いっていうならいいか!よし!コレで依頼達成だな!それなら俺も拠点に帰って、孫達を可愛がるとするか!2ヶ月近く拠点を空けちゃったから、今度は孫達に忘れられてそうだ」
「孫⁉︎」
「仔犬達だよ」
ネロ兄に一瞬驚かれたけど、ホル君を撫でながら、「俺の子を誘拐した悪人め」ってネロ兄を詰ったら、「その子は俺の子だ」って返ってきた。
「そう、だから孫だろ?」
今度は仔犬を捕まえて、頬擦りしたらネロ兄も納得してた。
家族が待ってる。帰ろう




