旅空18
実家の村で母さんの様子を見てから帰る事にする。だいぶ意気消沈してたからなぁ。
「カミラもマテオも近くにいるし、大丈夫?」
ママンの肩を揉みながら、回復を掛けてケアしてる。背中、こんなに小さかったかなぁ…
「えぇ、大丈夫よ。孫達も大きくなってきたし、馬も回してもらってるもの。働き手には困ってないわ。ただ、最近は膝が痛くて、カミラの方に顔を出すのは億劫になってきたわね。私ももう歳だからね。あちこちガタが来ているよ」
「膝ね。じゃあよく効くマッサージするよ。きっと楽になるよ」
門番さんもコレで迷宮復帰した実績があるから、きっと見違えるよ。
丁寧に、丁寧に魔法を掛けて、ついでに修復もかける。
力の限りママンをケアしたら、膝とか腰とか伸びて、若干若く見える様になった。うん、満足や。
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「それじゃぁマテオ、母さんをよろしくね。何かあったら、カミラかネロ兄を頼りなね」
「あぁ、ネロ兄さんにはだいぶ世話になってるし、カミラ姉さんも良く来てくれてる。近所の皆んなも手を貸してくれるから大丈夫だよ。強いていえば、アルス兄さんからの支援がもっと厚ければ、言う事なしだね」
「おう、そうだな。じゃ、マテオには母さんを託さにゃならんから、お前の倅に仕事を任すか…前線の開拓領域で少しヤバめのデカい話があったんだけど、そこに絡める様に手配しとこうか?」
報酬は良かったよ?
「うちの子、まだ8歳だが?兄貴はバカなのか?」
「いや?俺も8歳から何も無いとこを開拓していたが?」
報酬は破格なんだって!
「それじゃ、本当に行くな。母さん、体を労ってね。少しでも長生きしてくれな」
「アンタも息災でね」
またくるねー!
手を振り替えし、馬車に乗る。さて、拠点に帰りますか。
しばらく使われていなかった道とも呼べない道は、本当に草に呑まれて見えなくなっていた。もしかしたら、最後にここを通ったのが、行きで使った俺の可能性が…
まさかな…
本当に何も無いな…草の荒野だわ。まばらに生えた木だけで、森林って感じの所はない。この辺くらいまで木材を取りに来ていたのか、切り株は見当たるけど、森みたいな所が無くなってる。
川向こうにはまだ、そこそこの森が見えるので、しばらくは保つか。
「ネロ兄はこんな所に村を作る気なのか?」
集落と呼べる様な最後の所から1日進んだ辺りは、無人の荒野だった。
人の痕跡はあれど、周りにあるのは、草、河、草、草!ホント草しか生えん!単芝やこんなん‼︎
俺の時はまだ、周りに人が居た。通いで行ける畑の限界辺りから始めたけど、ネロ兄がしようとしてるコレは小規模な植民や!
仕方ない、少しはお手伝いしとくか…
今夜の寝泊まりには無駄にデカい小山のアパートを作ったり、遠目にも分かる、ただ高いだけの土の塔を作っておく。使いたければ、勝手に使ってくれ。
そんな事をしながら拠点に帰ったため、帰り着いた時には、出発から3ヶ月程が過ぎていた。
「帰ったよ、皆んな!」
「遅かったな、村長。やっと帰ってきたか」
「先生、お帰りなさい。おっと!」
娘達の熱烈歓迎を受けた。それを見て、仔犬達も襲いかかってきた。顔中舐めまわされて、今日はいつもと逆の立場だ。クロちゃんすら、ペロっとしていった。毛玉まみれの大歓迎に帰ってきてと実感する。
その夜は皆んなに囲まれて寝たけど、朝起きた時、寝苦しいと感じた胸にはポコちゃんが居座ってた。
皆んな、ただいま。




