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幸運とスキルで転生先でも生き残る  作者: なお
旅立ち

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拠点暮らし36

「10年間、コイツの利益の5%が取り分で良いよ。はい、コレが現状の改善案と改良出来ないか、職人に確認した方が良さそうな箇所ね。種子の種類で大きさが違うから、飛距離も変わると思うんで、そこも留意してね」


「定額じゃないのか?それと10年は少し長くないか?」


「んー?1、2年は売らないで貯め込んでから放出すれば良いんじゃない?そうしないと逆に直ぐ真似られるよ?出来た物はこの拠点に貯め込めば良いんじゃないか?それも嫌ならコイツの売上の5%に値上げするね。店主、別に俺らが困ってないの忘れてる?その改善案の紙も返して」


「待て待て、嫌なんて一言も言ってない!ちょっとした感想だ。先生よぉ、冗談じゃないか。そんな反応されちまったら、軽口の一つも叩けなくなっちまうぞ?なぁ、上手くやってこうじゃないか!」


店主め、少し迂闊やな。値上げすんぞ?

それはさておき、俺達に商品の値段付けなんて無理なんよ。なので、そこからアガリを貰う。コレが面倒がなくて一番やな。こんなやりとりはしているが、一応店主の事も経営者として尊重はしているのよ?


「ちなみに、一つの工房に全部任せると漏れるかも知れないから、幾つかの工房に部品毎で発注かけて、組み立てはここでやれば良いんじゃないかな?」


迂闊な店主に少し助言をしておこう。そうだね、持ちつ持たれつでやってこうじゃないの。


「ここなら皆知ってるし、実地で使う機会もあるから、使用感の反映もし易いと思うんだけど?」


「そいつは良い考えだが、此処にそんな倉庫みたいな物は無いじゃないか?さすがに完成品を野晒しにしたとあっちゃあ、ウチの商会の看板が傷つくんだが?」


「そんな物コレから作れば良いんだよ。鍛冶屋を連れてきてくれれば、一応製材所も動かせる。この間何本か鋸の刃をやっちゃってね。今はだいぶ渋くなってるけど、目立てしてくれる鍛冶屋が居れば、木材なんかすぐに加工できるさ。あとは替えの刃もか。他にもウチには開拓者上がりの意味の分からん奴らも居る。倉庫の骨組みなんか20日も有れば完成するよ」


アイツらの人外建築見ちゃったから、そこは心配要らんやろ。


「それは助かるんだが…勉強し…あぁ、うんん!なんでもない。かかりはコッチに回してくれ。少し投資に回したいから、直ぐにって訳には行かないが、倍にして払うがどうだ?」


「どうする、お前ら?大体やるのはお前らなんだけど、倍如きで受けるか?ちなみに、高利貸しは2年で元金の大体3倍くらいに膨らむらしいぞ?お前ら次第だが?


「おい、ふざけるな!高利貸しでも1年なら1.5倍くらいだ!良心的だろう⁉︎」


「店主は1年で貯めるの諦めるのか?直ぐに真似られて、その後あっという間に失速するぞ?限界まで貯めて、大型船に一気に積み込んで、下流域に一気にばら撒けば、お前さんの商会は飛躍するってのに…無欲なヤツだなぁ」


「お前…本気か?そんな店を賭けるような…」

「日和ってんね、店主。俺は商機をめちゃくちゃ感じてるってのに。ま、良いよ、俺の財布で賭ける訳じゃないから、好きにしなよ。ただ、大店の店主に言うのも御門違いだろうけど、慌てる乞食は貰いが少ないっても言うし、好きに判断しな」


俺が鼻で嘲笑ってやると、向こうも流石にカチンときたのか、睨みつけてきた。でって言うね。


「おい、若頭に丁稚!俺が見てる商機は分が悪い賭けか?俺はこの賭け、100回賽子を振れば98は勝てると思ってるが?船が沈んだり、倉庫が燃やされる事が無い限り勝てる賭けだと思ってるんだが?」


「ウェイン様、彼が言ってる事は多分間違いないです。下流の農家に直接売る必要は無いんです。海に行くまでの全ての街で、争う様に売れるでしょう。どうせ真似されるなら、一気に売るべきです。幸い、彼がどうすれば高く売れるかの実演もしてくれました。我々も暗幕を用意して実演をすれば、きっと興味をひけるでしょう」


顔を大きくしかめて、唸り続ける店主の決断を俺たちはじっと待つのだった。

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