拠点暮らし27
「先生、こんなもんで良いか?」
「あぁ、ここはそこまで重要じゃ無いから程々で良いよ。河の水も来るかもしれない高さだし、箱物の方が頑丈に出来てれば良いさ。中の軸を保護出来れば良いレベルで考えてくれ」
今回は少し高く軸を伸ばさなきゃいけないから、問題がでそうだな…
水車2号が拠点に届いた。なんでこんなに早く水車が手に入ったかというと、紳士殿に請求したからだ。ついでに丸太をスクリュー状に掘り込んでもらったアルキメディアン・スクリューも発注して、それも届いた。物が2つ揃ったので、村に水を引く事にしたんだ。耐水性の木材を選んだから、良いお値段になった事だろう。
これは従者君の腕代で購入した。あの子自身も良いとこの出なんでしょうなー。
大事に育てられすぎて、田舎の蛮族の作法が分からんかったのかな?力こそパワーな所が有るからなぁ。あんま舐めた口聞くと、近くの河が少し豊かになるって事が有る。そんな蛮族の風習を今回の事で学べて、彼にとっても有意義なひと時になった事だろう。
それにしたって、昂った俺を見て、ちょっとビビり散らしてたけど基本無害なんじゃが?
あれは紳士殿が強すぎたのがいかんな。あの人見てると、大剣さんに感じていた敗北感が疼く。俺も相当なモノだと自負してるんだけど、大剣さんには勝利できるイメージが最後まで持てなかったな…
チート装備の天秤持ち出しても、良くて相打ちな、そんな空気だった。アレこそ真の化け物だよなぁ。紳士殿にはアレに近しい空気を感じて、少し昂っちゃった。
大剣担いで笑顔で潜っていったあの人は、今頃迷宮の奥地で修羅になっているんだろうか?高笑いしながら大剣ぶん回してるイメージしか湧かないぜ…
「よし、それじゃあ水車の固定を解くぞ!」
グルグルと回り始め、軸受も前回よりは良さげ。連結したスクリューも問題なく動き、ゆっくり、でも確実に水を汲み上げていく。今までただ捨てていただけの、水車1号を回し終わってプールされていた水に新たな利用価値が出た。コレなら拠点に溜池でも設ければ、汲み上げた水で粉挽程度なら賄えそうだな。
「水車と粉挽き小屋は勝手に用意しな、邪教徒ども。一応ここまでは整えてやったんだから」
「俺らにそんな金残ってる訳無いだろ村長。暫くは村長の所使うから」
「そこは粉挽き小屋でも自作しとけよ…俺の研究室をこれ以上粉まみれにしないでくれ…」
ごりごり五月蝿いし、粉っぽいしで最悪だよ。さっさと粉挽き小屋を整備しなさい!コレ以上は断固拒否する!粥を食え!粥を‼︎
「村長、アンタは良いやつだったが、俺らも譲れない物が有るんだ…」
「ならば勝負だな…良いのか?後に引けないんだぞ?俺は今まで言ってなかったが、相当もってるが、それでも良いんだな?」
「はっ!もってる奴はこんな田舎で燻ってねぇんだよ!ハッタリにしてももっとマシなハッタリにしな!」
その余裕な態度、いつまで保つかな?
「俺は全員を相手にしても構わないんだが?貴様らに違いってヤツを見せつけてやっても良いんだが?」
「いうな、先生。そこまで豪語するなら、本当にやってもらおうか」
「俺は一向に構わんが?その代わり反故には絶対にさせないぞ?」
阿呆どもめ、俺の故郷での戦績を知らないからそんな態度で居られんだな。良かろう、貴様らに現実の無情さを叩き込んでやる。
「なんでだよ‼︎なんでイカサマダイス使っても負けるんだよ‼︎」
負け犬の遠吠えキモティー‼︎
バカどもが涙目で気分いいわぁー!
貴様ら如きの運量で俺に勝とうだなんて千年早いわ!
はい、もう研究室では粉挽きさせません。良いですね。自分らで死ぬ気で整備しな!
今回は魔法無しのイカサマ無しでも余裕っすわ!丁半のニブイチなんて、イカサマありでも俺に勝ってくださいって言ってるようなもんじゃい!
ふん!と鼻で嘲笑ってやった。千年後に出直して来な!




