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幸運とスキルで転生先でも生き残る  作者: なお
旅立ち

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拠点暮らし22

「確かに素晴らしい腕前だったな。それだけの力があれば街でも仕事にあぶれる事も無いだろうし、金に困る事も無かろうに」


「そうしたら毎日診療所にかかりきりになって、神様に捧げる信仰(はぐるま)を深める時間にも陰りがでますよ。金が沢山欲しかったり、人を救いたいとかでやってる事じゃ無いんでね」


別に金は手段に過ぎないねん。コレに関しては俺がガキの頃から一貫して変わらない考えなんだけどさ。

小さい村だったから、物物交換だったし、腐らないように食い物だって分け合うような環境だったから、金銭欲があんまり育たなかった。それがあれば違う欲しい物に交換出来るくらい。どこまで行っても手段でしか無くて、目的になった事がない。最悪「物が無ければ自分で作るねん」でやってきたし。


「それにしたって、紳士殿はここに来なくても街で金積めば治療受けれそうだが?何でわざわざこっちにまで出てきたんです?街にだって今回の治療ならそれなりのお布施を積めば、受けられたでしょうに」


大店の店主は、がめついから少しでも料金を抑えようとこっちに来るけどね。

あと、向こうの教会と必要以上に近づきたく無いとか。浄財の無心がちょっと多いって言ってた。

俺はアイツらの財布じゃ無いって愚痴ってたし、街には街の柵があるのだろう。


「ランスと言います、治療師殿。まぁ、もう疑いもだいぶ晴れた事だし言ってもいいが、私はここを調べに来たのだ。腕は良いかもしれないが、人を不法に金銭で縛り、労働に従事させていると聞き及んでな。街の評議会で話題に上がっていたので、どんなものか一度この目で確かめてみようと思ってな」


ほーん、そりゃご苦労様な事で。別に見たけりゃ好きなだけ見ていけば良いさ。俺には隠す事なんか…あ、隠すってか開発中の物とかは少しお見せ出来ないかも。


「研究室は危ない物とか開発中のアイデアとかが有るんで、そこ以外なら好きに見ていってくれて構わないよ。とはいえ研究室以外でも、機械関係は無理に確かめようとして機械部分に巻き込まれると、通常の人は挽肉になるんであまりお勧めしませんよ。紳士殿くらいになると、機械にも勝ってしまいそうですが、その場合は多額の賠償金が発生するので、やっぱりあまりお勧めしませんけどね」


水車は今日は回さない方が良いか?巻き込んで怪我されてもアレだしな…ガイ君、今日は危なそうなんで、一応水車は止めましょうかね。上の方の低速部から外してね。そうしないとぶっ壊れるから。水車止めるのは最後ね。


「それじゃ、紳士殿が疑問に思ってる事をお答えしましょうかね。それとも拠点でも少し回って皆に聞いてまわります?」


「村の中を案内してもらえると嬉しいな。無理やり働かされていると言われて見に来た割には、この村は随分と活気に満ちてるからな。私がこの村に入って直ぐに感じたくらいだ。またぞろ、教会上層部の暗闘がコッチに飛び火したんだろうと直ぐに理解できたわ」


まぁね、教会には3柱の神様が祀られてるからね。そこは信仰神で派閥も出来ますか…

俺もコッチの教会には顔出ししてなかったし、しゃーないか。

教会訪問は過去の経緯から大事になりそうだったので、水車を含めた一連の開発が終わるまでは控えていたんだよなぁ。そろそろひと段落ついたし、顔でも出しに行きますか…


「好きに聞いて回ったり、見て回って構いませんが、ここは村じゃ無いですよ?教会を起点にしたちょっとした宿坊みたいな物ですよ?」


「先生、もうその言い訳で逃げるには無理ですよ。アンタ、この村の村長だよ。もう住民が50近くいて、その言い訳は通用しないぞ」




いやじゃ!村長はいやじゃ‼︎村の雑事には関わりたく無いんじゃ!だから、ここは、教会の宿坊なんじゃ‼︎研究をしたいんじゃ!研究だけしてたいんじゃ!

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