拠点暮らし20
「そしてコレが、今回の真打だ‼︎」
鉄を溶かそうと頑張ってた時、購入したフイゴじゃ!
あの時、俺は思ったのよ。なんだこのクソだるい作業はって…
取手みたいなのを開けたり閉じたりして、送風するんだが、気絶した。
ワタクシ、純粋な肉体強度が皆様より若干劣りまして…コレは種族的なもので、先天的要因で、解決の見込みがあまり無く…迷宮のレベル上げでも雀の涙的な恩恵しか得られず…
貧弱なんじゃい!
こんなバフバフするような単純作業かつ肉体的にキツイものをこそ機械化しないでどうするのか⁉︎ってね。
という訳で回転力を上下運動に変換する装置でバフバフさせます。
ざっくり説明すると、回転する歯車の一点に棒の端を取り付ける。そんでその棒のもう片方の先端にも別の棒を取り付ける。
二本目の棒の、棒同士が連結していない先端に動きを制限するガイドレーンみたいなものを両側に用意する。ガイドレーンの中にフイゴの取手を突っ込んで、二本目の棒と連結!
そして歯車が回ると上下する‼︎
上下す…る?あれ、なんか上手くいかねぇな?理論上は上手くいくはずなんだけど…あぁここがなんか変か?こうか?んー?これで…お、出来た、出来た。では改めまして!
「おい先生!今すぐ止めろ‼︎ゴミどころか麦が全部ぶっ飛んで行っちまう!コレじゃ逆に強すぎて使い物んにならねぇよ!あぁ、なんでコイツは明らかに失敗してんのにニヤついてんだよ‼︎」
「ガイ君!箕を使わなくても良くなるかもしれない、ってのは失敗してるかもしれないけど、フイゴとしては確実に成功してるじゃないか!」
「だから!今じゃねーんだよ‼︎それは鉄焼いてる時にやってくれ!先生頼むよほんと!今欲しいのはコレじゃねーの!何で分かってくんねーんだよ‼︎いや、分かっててやってるだろ、アンタ!」
小作人の皆さんはぶっ飛んだ麦に集り始めた鳥を追い払うのに大忙し!悪いね!
「正直言うと、こうなるんじゃないかなーと少し思ってました!」
「自信満々に言うこっちゃねーんだよ!傍迷惑すぎんだろ!」
スマンスマン、思い付いちゃったからやってみたくなるってのは、研究者の業みたいなものだからさ。
「科学の実験に失敗は付き物なんだって、何回説明すれば良いんだい?コレだって風量が今の購入したままの窄まった形だからダメだっただけで、口を広げれば問題なくなるだろ?全然失敗してないじゃないか」
「それが分かってたら、最初からそれでやってくれよ…」
口広げたとしても少し風が強すぎる気もしなくも無いけど、今言っても余計に怒るだけだからやめておこっと。
「せっかくフイゴ買ったんだから、一度はどんな風量が得られるか知りたくなるじゃないか?麦の収穫には少し強過ぎたって事も知れたし、有意義な実験だったよ」
「アンタ絶対にやる前から分かってただろ…」
ガイ君の疑惑に満ちた視線と小作人の皆さんの呆れた視線に晒されるけど、当方は一向に構いませんのよ?
この結果が報われて皆が回転に目覚めるって分かってるから。皆、直ぐにこれ無しじゃいられない体になるって、俺知ってるんだ。
ただね一つ問題が。
ここは研究室だから、絶対に作業場とか工場にはさせないからな!




