拠点暮らし14
水車の宛てが出来た、のは良いんだけど、肝心の水車室の完成が全く目処が立ってない。
何故なら測量の技術なんぞ、微塵も持ち合わせてないからだ。専門家を、専門家をお願いします!
人類史のバグことローマさんは、水道の勾配率0.5%くらいを普通に出してた気がした。ほんと、あの文明はなんなんだ?タイムリープした技術者が居たとか言われても信じるわ。土木技術のレベルがイカれてる。
俺にそんな専門技術は無いので、超原始レベルのやり方でやるしか方法が思いつかない。
すなわち、水を流す!
水をギリ流せるくらいで整備すれば、それが答えだろう?角度?素人にそんなもん求める方が酷ってもんよ。最後に困るのはどうせ俺なんだから、コレでええんや。
水ちゃん、コレくらい?まだ流れてない?もうちょっと?これでどう?良い感じ?はいオッケー
土ちゃん、そこはもう少し削って均して。石爺は河原のデカい石をU字の、そうそう、そんな感じのやつに加工お願い。
「先生、お客さんです」
何やねん、教会まであと100メートルくらいまでやっときたんや。今日の感じはそこまで緊急を要するもんじゃ無いな。もうちょい待たしときな。ここの一区切りが付いたら、診療所に行くわ。
「いえ、患者さんじゃなくて、水車の職人頭さんが来てまして。設置場所を確認したいと」
「それを早く言えよ!急いで帰るぞ!ほら、チョコちゃん行くよ!あー!ヤメてヤメて‼︎そこほじくらないで‼︎せっかく盛り土した所なのに!」
「随分と騒がしかったな、先生。イタズラ小僧がヤンチャでもしてたのかな?」
職人頭が俺について回って来る仔犬達を見て、笑顔で問いかけて来た。
「この子達は娘ですよ。とは言え、ヤンチャなのはそうなんですけどね。いやー、毎日振り回されてますけど、毎日が楽しいですよ!この子達が居るから頑張れてますよ」
俺も朗らかに答える。この職人頭さん、同族の匂いがするぞ。
さては貴様、ケモナーだな。ウチの娘のお婿さんを探してますよ。
「分かるよ、先生!動物は本当に無邪気で良いよな。ウチは猫を飼ってるんだが、可愛いもんだぞ!資材置き場で悪さするネズミも駆除してくれるしで、良い事尽くめだぞ?」
あぁ、2大派閥のもう片方の方でしたか。猫もいいよなぁ。でもなぁ…
ん?そう言えば、今なら別に猫飼ってもいいんじゃね?
そもそも、猫が飼えない理由が兎対応のためだったけど、今のこの拠点は別に兎をそこまで重視して飼育してるわけじゃ無いので、問題ないのでは?俺のペットさえ確保しておけば良いのでは?
子猫の頃から一緒に育てていけば、食い物って認識より、仲間って認識のが勝つのでは?
コレは革命では?
産業革命なのでは?
「親方!猫も良いよな!子猫が居たら飼いたいって、ずっと思っていたんだけど機会が無かったんだ!もし子猫が産まれたら譲って欲しい‼︎」
「そうなのか?今、丁度産みそうなのがいて、乳離れしてある程度したら連れてこよう。ウチの置き場も随分と数が増えて来てたから、助かるってもんよ」
その後、水車そっちのけでウチの子自慢大会が盛り上がってしまい、熱く語り合う事になるのであった。




