拠点暮らし13
勇者の乱が起きて、俺もだいぶ消耗してたので作業が滞ってた。
心の癒しを求めてワンワン王国の住民にしばらくなっていたけど、ヒヒーン王国も捨て難く、しばらく回転の探求というお勤めをお休みして、動物に癒しを求めていた。
とはいえ、俺の都合とは関係無く
「先生、急患です」
怪我人は押し寄せてくるわけで。
助手に収まりつつあるガイ君が、今日も俺を呼びにくる。
今日の感じ、一刻を争う様な感じじゃ無いな。メアちゃんの腹に顔を埋めていたのに…俺の至福の一時だったのに…
今日はどんな貧乏人が訪ねてきたのかと、診療所に顔を出す。片手に抱えて運ぶには段々大きくなってきた仔犬を抱えて。
「先生すまん、急病ってわけじゃ無いんだが、腰を!腰をやっちまって!ここなら確実に治るだろ。明後日、絶対に外せない会合があるんだ。頼む!報酬は弾むから‼︎」
確定演出キーーーーーーターーーーー
はい、街の大店です!盛り上がってまいりました‼︎
「店主さん、水車!水車が欲しいんだ‼︎治す治す!アンタが死んでても、生き返らせてでも治したるわ!待ってろ、直ぐ治したる!アンタの気が変わる前に!はい、治しましたー。はい、もう変更は効きません!はい、水車!」
俺の素早い回復で瞬で治して上げました!水車。
いやー、善行ってすごく水車気持ちが良い水車ものですね、店主さん水車!
「先生よ、水車は流石にボリ過ぎだろ。安くしてやるから、それで勘弁してくれよ」
「コッチは貧乏人相手ばっかで全然金が無いんだよ!どうやって安くしたぐらいで買えるんだよ!くれよ、水車!水車‼︎大店じゃんか!」
駄々を捏ねて交渉した結果、手持ちのあり金ほぼ全てで、そこそこの大きさの物を手配してくれる事になった。
中の機構は一旦いらんねん。そこは自分で開発していくつもりなんだ。
「それを早く言えよ!水車の車だけならそこまで高くは無いから」
お、おう。さすが都会…あんな物うちらの方で買おうとしたら2倍は料金掛かるわ…
技術力と資材量が全然違ってるから、価値感が狂うな…
敗北感を紛らわすため、メアちゃんを吸う。うん、この少し香ばしい感じ癖になるなぁ。
「先生のところの犬達も初めて見た頃から比べると、だいぶ大きくなったな」
「この子達はやらんぞ、店主!ウチの群れをもっと巨大にして、将来セイルの街をこの子達の子孫で席巻するんだ。その為に俺は水車が必要なんだ!一家に一頭のワンワン王国を俺は築くんだ‼︎」
「犬バカ過ぎるな…先生のこういう所が無ければ、いう事なしの治療師なんだけどなぁ」
「ウェインさん、先生は暇さえあれば犬に顔を突っ込んで喜んでるか、馬小屋で馬にまみれてるかの人嫌いですので…」
「失敬な。人が嫌いなんじゃ無く、愚か者が嫌いなんだ。それで、貧乏人には多くの愚か者が居るから嫌になるんだ!飲む打つ買うで金を持ってない癖に、やたらとこっちに文句ばかり言う奴が多過ぎる!そりゃ嫌にもなるだろ‼︎」
バンバン机を叩いて鬱憤を晴らす。
労働は足りてるねん!その内この廃村が、普通の村になるんじゃ無いかって勢いで足りてるねん!何で開拓者引退した奴とか住み着いてんねん。
治してやったけどさ。年季で縛ってウチの小作人させてるけど。
別に村作りしたいんじゃ無いねん。水車回すための水を引き込む水道をまずは作りたいんじゃ!そっちの専門知識が有る人材だったら、下にも置かない待遇なんだけど、全員食い詰めた農民の小倅ばっかりなんだよ!
専門家を!切実に専門家を求めてます!




