↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸運とスキルで転生先でも生き残る  作者: なお
旅立ち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/152

拠点暮らし10

「アルスさんは何ですか?」


俺と俺の持つ天秤から唯ならぬ気配が漏れている。あるいは、そういうチカラを可視化するスキルでも保持しているのかもしれない。視線が俺の手元から微動だにしていない。

髭面の顔面が引き攣ってる。しかしその顔も徐々に欲望に歪んでいく。


「何とは?随分と抽象的で哲学的な問いだね?敵か味方か?只人かそうじゃないか?善か悪か?それとも、もっと哲学的な問いかな?或いは社会的なものかな?研究者であり探求者でもある。信仰者を自認しているが、魔法使いでもあり農家だね。そこに動物の愛好家を付け足しても良いかもしれない。ただ残念ながら博愛の精神は持ち合わせが無くてね。敵には容赦しない様にしているんだ」


君はあと何が知りたい?他にも聞いてみてくれ、応えてあげよう。

でもオレが応えてあげているのに、勇者は違う事に夢中のようだ。悲しいね。


「駄目だ!アルスは見えない!俺の神級鑑定スキルでもアイツは見えないぞ!どうなってる⁉︎NPCじゃなくてコイツはボスか⁉︎DLCコンテンツが新たに実装されてたなんて、俺は知らないぞ!ナタリー、お前の方はどうなんだ⁉︎」


「私だって知らないわよ!こっちの攻略情報にも、こんな奴居ない!聖女に転職出来て、コレでやっと皇国で連続イベントができるってのに、間が悪いわね!サーシャ、構えて!弓を下げないで‼︎ケインは鑑定を続けてよ!アイツの能力を少しでも暴いて!」


「ダメだ!文字化けして読み取れない‼︎ここでやるか⁉︎今なら俺の治療でMPも減っててガス欠も早いだろ!それにボスなら撃破報酬もうま…」


バカ2人が口をパクパクさせて、突然崩れ落ちる。一瞬後には耐性スキルとかが発動して治るかもしれないけど、その一瞬が有れば十分だ。


人は酸素が少し無いだけで意識を失うんだよ?


駄目じゃないか、そんな叫んで息を知らせちゃ。そんなだから、直ぐに付け込まれるんだよ?

お手柄だ、風の精霊。君の働きに感謝を。


勇者と神官が同じ症状で一瞬意識を失う。その一瞬の隙で四肢を削ぎ、焔で炙る。

毛や衣服が一瞬で燃え上がり、皮膚に張り付くことで被害を拡大させる。大火傷を負わせ、削いだ四肢の断面は焼いて止血。教会をあまり汚したくないんでね、悪しからず。

おや、少しお喋りだね。2人はずっと叫びっぱなしじゃないか?

水の精霊よ、煩いから顔を水で覆って、音を遮っておくれ。

うん、静かになって良かったよ。君の働きにも感謝を。


「勇者よ、言っただろう?オレは博愛の精神は持ち合わせがないんだ。敵対の意思を見せた瞬間から魚の餌になるのがここのルールだ」


開拓者達に此処を紹介された時、絶対に聞かされていると思うんだけどね。物覚えの悪さは相変わらずかな?

あぁ、すまないね。顔を水が覆ってるんだったね。聞こえていないか。それにしても苦しそうだが?


「サーシャ、君は相変わらず賢いね。悪いけど、そこで少し待っていてくれ。コレを処分してから話そうじゃないか。さて、随分とサッパリしたね、2人は。髪も髭も邪魔な物がなくなって、綺麗になって良かった。ただ臭いが少し焦げ臭いな…河に行って臭いを落とそうじゃないか」


特別にオレが連れて行ってあげようじゃないか。ケイン君の終の住処は裏の墓地じゃなくて、魚の腹の中になってしまったね。ま、仕方ない事だよ。


「アルスさん、どうしたら2人は救えますか?命だけは助けて頂けませんか?」


真っ青な顔で怯えた目を向けられる。それでも勇気を振り絞ってオレに対峙している。震えも止まらない様子だけど、2人を背に、気丈にもオレに立ち向かおうとしていた。心外だ。非常に心外だ。


「サーシャ、何を言ってるんだい?君は賢いと思っていたのに。2人の命を助けて欲しいだなんて…」



だって2人はもう死んでるんだよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。