拠点暮らし6
支援物資が沢山来た事により、当面はどうにでもなるようになった。荷車も2台置いていってもらって、村で作ってた鋤だの鍬だのをささっと作れば、畑はどうにかなるだろ。馬も遊んでるし人手も確保した。種籾も持って来てもらったし、農具も作った。
準備が整ったならば研究だ。違うな、研究という名の反省会だ。
当初俺の目標は、用水路に引き入れた水を揚水して、その水の位置エネルギーも使ってとか考えてた。
そうすれば拠点の傍で研究出来ると考えてたんだ。
用水路に設置できる水車で水を汲み上げるって、どれだけの高効率で汲み上げる気だったんだ俺は…ちょっと考えれば分かるだろうに…
よしんばそれにある程度成功して溜池とかに溜めたとしよう。それは『何日に一回使えるんだ?』ってレベルの出来損ないが出来上がるだけだった。
マジかぁ…物理の壁ぇ…
これに関しては、魔法的解決の意味が無い難問だ…
そもそもの目的が、労働力を水の持つ運動量から取り出して、活用しようってのが主眼なんだから、魔法的解決の意味が薄いんだよな。
もしやるとなると、大規模土木工事なんかの施設工事になっちゃう。
つまり真っ直ぐに水車を使いたければ、豊富な流量の河辺とか、自然の高低差で位置エネルギーを得られる場所、あるいは流量そこそこでも流速で押し切れる所、じゃないと貧弱な動力しか得られないわけだ。
強力な動力を得られる現実的な手段ってのはなんだ?
堤防でも作って堰を作る?水位が上がれば位置エネルギーが得られるけど、堤防ってなんだよ…個人でやる事業じゃねぇよ…
もしくは上流から水路を引いて、位置エネルギーを保ったままこっちに持ってくる?
どう考えても、河辺に普通に建設する一択しか現実味が無いわ…
それでも魔法的土木工事込みの折衷案になりそう。その確認をする為、実際の運用塩梅を視察してみる事にする。俺の中では嫌な予感が拭えないんだけど、それでもワンチャンあるかもしれないし。
ちょっくら水車小屋の中の機構を見せてくれ!
俺に可能性を見せてくれよ‼︎
いざいざ、行くぞ、セイルへ!
…
……
………
こんなもんだよなぁ…
予想はしてたけど、位置エネルギーを運動エネルギーに変換出来ない、緩やかな流れの水車なんて、こんなもんだよな…
いや、凄いんだよ?1日中休みなく稼働させようと思えば出来るんだから。でもコレじゃない感がさぁ、半端ないっていうか…
もっとギュンギュンに回っていて、コレぞ動力!ってのを想像してたんよ。
全然妄想だったわ。
それとギアだけど、一つ一つの歯がデカい。イメージとしては、船の操舵輪をデカくした感じ。ここに関しては俺のギアのが精巧だ。
とはいえ魔法ありきの加工なのでそこは何ともいえないし、逆に耐久性では優れてそうだった。
用途次第ですな。
今までは、水車っていう俺からしたらオーバーテクノロジーに圧倒されて、妄想ばかりが広がっていた。でも、内部構造をしっかり確認した感じなら、まだ戦えると感じた。
俺は、負けない!




