拠点暮らし3
ノアちゃん、チョコちゃん、ホルくん、メアちゃんの仔犬たちもスクスク育ち、今では立派な兎捜索隊になってる。
少し腰を落ち着けたら兎達がいつの間にか増えてて、教会の周りを飛び回ってる。そこらに穴掘って巣を作ってるヤツも居て、捜索隊がそういう不届者を俺の元に運んでくれる。
ご褒美の鹿っぽいのの骨目当てに、彼らは今日も警戒の鼻を緩める事なく、捕縛機会を狙っている。その鋭く賢い狩猟の仕方は、まさに賢狼の子孫なのだった!
はいはい、骨っこね!ご褒美の前に、お手!…おかわり!…お耳!はい、スンスンと。それじゃぁ、ヨシ!
今日も拠点は平和や。あと、やはり犬吸いの至高ポイントは耳やな。危うくトリップしてハムっちまうところだったぜ…三角にピンと立ったお耳が俺を駄目にするんや…
クロちゃんはじめ犬達はのんびりと拠点で寛いでるし、馬もだいぶ寛いで……なんかお腹大きくなってる?
まぁ、動物ってそういうところあるよね… ちょっと落ち着くと直ぐに増えるんだからさ…
最近は仔犬にばかり構い付けていたけど、馬達もちゃんとお手入れしていかないとな。そうなると、また人手不足にぶち当たりそう。マンパワーが足りないぜ。多頭飼いの厳しい現実がのしかかって来るわ。
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「先生、此処だ。コイツなら先生の要望に合うと思う。ガイ、お前のその足をどうにかしてくれるかもしれない治療師を連れてきてやったぞ」
「よろしくお願いします…こんな足ですけど、本当に治りますか?」
まだ10代後半と思われるガイ君の右足は、膝下から先が無く、杖を使う生活を送っているようだった。半年ほど前に、開拓者として一旗上げようとして失敗した口だ。
こんな子が街にはボチボチ居る。
食うや食わずの不安定な生活に絶望しそうな、そんな子に救いの手を差し伸べますヨォ
はい、誓約しましたね?じゃぁ年季5年でちょっとウチで働いてくれよ。なーに、君以外にも同じような子は他にも居るし大丈夫ヨ。
君たちにお願いしてるのはウチの動物達の世話とかかな。君ら自身の生活の事とかは、拠点に着いてから詳しい説明をするよ。
飯くらいは出すから、そこは心配しないでくれ。
ほとんどの若者は四肢のどれかが欠けてるような重症だったけど、全員治してみせた。
「開拓者諸君、とりあえずこの俺の力に価値を見出したなら、依頼を受けないか?依頼内容は、この支流を10日ばかり下った先に俺の村が有るんだが、そこに手紙を届けてもらいたい。もしかしたら、帰りは護衛もお願いする事になるかもしれないけど、誰か受けてはくれないか?報酬は誰でも1人死んでなければ治してやる」
何人か、先生の為ならと水臭いこと言うなとか言って、俺の依頼を受けてくれる人がいた。サラッとネロ兄に支援物資の要請を書いて、一度此方の様子を見に来る事を強く勧めておいた。
此方の方が、手に入る品が段違いに良いからな。知っておいて損はないはずよ。
そうして、村から出発して4ヶ月と少し、俺の次なる生活基盤づくりが本格的に始まった。




