第11話 猛進する少女
◇
――遡ること、数時間前。
「ぱしゃり。ぱしゃっ、ぱしゃっ」
とあるマンションの屋上で、2人の少女が並んでいる。1人は両手で写真を撮るジェスチャーをしながら、視線の先の人通りの多い空間を眺めている。実際のカメラも首から紐で提げているのだが、態々それを使う機会ではないと判断している。
但し、このジェスチャーは画角や構図を検討しているわけではなく、全体図を視界に収める為にしているものだ。
写している先は、とある大学のキャンパスである。移動に費やしているのは学生が9割5分を占め、自身が受講しているであろう講義へ足早に歩を進めている。
行き先はバラバラだが、複数ある大きな学舎の中へそれぞれが吸い込まれていく。その姿は大学の自由な印象から真面目に規律正しい学生に見える。既定の少なくない単位を取得するのに講義に出席しないといけないのは当たり前なのだが。
1000人は優に超える人々の次々と流れていく移動は、それだけで圧迫感がある。
少女は一連の絶え間ない人の動きの全体を覗き込んでは、少しずつ身体を回転させて風景をスライドしていく。
そうすること暫くして。
「おっおー。あれかな」
目標を発見したのか、どちらかといえばダウナーな雰囲気を持つ森山千穂子は興奮したように声を上げた。
その横で同じように大学の敷地内を観察していた大槻藍莉が反応する。こちらは森山のようなカメラジェスチャーではなく、双眼鏡で覗き込んでいる。指定の箇所が良く見える代わりに狭まる視界では、目標を見落としやすくなる。
逆に補助の道具無しに遠くから目標を探していた森山の方が異常ではある。
森山と大槻の風貌はバラバラのようで統一感がある。髪型は森山はショートボブで、大槻は下の位置でのツインテールにしているが、両者にはそれぞれ青と赤のワンポイントカラーが非常に際立つ。フリルやリボンが取り入れられたディテールで可愛い系に収められた服装にも、それぞれのワンポイントカラーが添えられている。一見すれば、アイドル衣装に近いがそれよりも遥かにおとなしめではある。
そんな2人がマンションの屋上で奇抜な行動を朝からしている。
童顔で身長も低いため中学生でも通りそうだが、森山と大槻を注意する者はこの場にはいない。
「チホちゃん、いた?」
「多分、丁度今、入口から入ってきている。少し左側にいる2人組の男と女。顔分かんないけど」
森山の指差しに従って大槻が双眼鏡をずらしていくと、そこには目標らしき人物に辿り着く。入場後すぐでわかりやすかったのが功を奏したようだ。
ただ、目標を定めた後に、大槻は双眼鏡も外して目を閉じた。森山もずっと追っているが、大槻のその行動への指摘は無く、静かに待つ。そして、そろそろというタイミングで、森山は簡単に問いかけた。既に、目標とした2名は入口と学舎の中間あたりを歩いている。
「どう? あいりん」
数秒後、大槻は目を開けて目標へと向けた。しかし、双眼鏡は下ろした状態で追っている。それも歩行による移動も正確に捉えて、だ。彼女には彼らの姿の詳細は見えていない。
「うん。あの2人で良さそう。『アンテナ』がないから会話までは聞けないけど、昨日確認した通り」
宣言をして、目標が当たっていながらも大槻はげんなりする。
対象は昨夜、清水が相対したが任務失敗で敗走させた人物――久保耀壱である。正確にはその隣を歩く美南が立ちはだかる状況だったが、影響力の高さを踏まえて久保を追うのが優先される。
大槻たちは昨日の今日で清水や竹内らの指示に従い、久保の様子を逐一観察する役目を与えられているのだ。
先制攻撃は失敗に終わっても、あくまでも計画の一部であり、破綻したわけではない。こうして機を窺い、対策していかねばならない。
その点、大槻との相性が良いのだから、嫌々ここにいる。
「パスは絶対に察知できないからこのまま簡易的に繋げてはおくけど、中々疲れそうなのよね。……それにしてもアイツ等、昨夜あんな目に遭ったのによく暢気に学校に来れるわよね」
昨夜から睡眠時間を少々削っている大槻は、久保らがいるであろう人混みを見つめ恨み言を吐き出す。
だが、本音でもある。
昨夜の事態は大槻たちにとってもだが、久保にとっても非常に大きな出来事だったであろう。どこまで把握していたかにも依るが、街中で戦闘という言葉はこの現代社会においてはまず聞かない。現象が非現実すぎて、清水は置いておくにしても大槻の心身の負担はその時点で限界突破している。今は落ち着きを取り戻したが、眠りは浅かった。
規模感がわからない中で予測は何となくしてはいたが、1回目でいきなり上限を超えてきた。時間が経てば慣れるかもしれないが、これからも覚悟は必要になってくる。
「……対策してそう」
大槻の内心を余所に、森山は対照的に只管観察を続けながら無機質に返す。彼女も昨夜、大槻の隣で任務の遂行に関与しているが、そんなことはどこ吹く風の状況だ。まるで気にかけていない森山のような鋼の精神を羨ましいと感じながら、大槻は「そうね」と続ける。
「あの女がオッサンの言う『美南深幸』だったとしても、あの様子じゃ状況の打破も余裕とすら思われているかもね。癪ね。煽られているわよ、アタシたち」
初回の対応で敵と認知されていないならば業腹だが、清水のあの後手後手に回った姿を見ていると、力の差があるのは事実だ。
加えて、警戒心自体は引き上げられているだろうから、策を講じなければ昨夜よりも酷い結末を迎えるのは目に見えている。寧ろ、別勢力への対策まで既に講じている可能性もある。
いっそのこと、周囲を彷徨く鬱陶しい虫程度にでも見られている方がやりやすい迄ある。
「あっ」
一旦、最低限の仕事をし、美南の脅威度の精査とこれからどうするか思考を巡らせ始めたところで、不意の無機質な声が森山からあがった。ただ、そこには焦りの成分が微かに含まれている。
「? チホちゃん、どうかした?」
一瞬で嫌な予感がして訊ねるのも躊躇われる。しかし、要件を進展させるためにも間髪入れずに大槻は森山に状況を訊ねた。
その何でもない質問に森山がびくりと肩を震わせると、キャンパスで確認した久保等から視線を外し、硬い動きで大槻に向き合う。大槻は特に威圧はしていない。
「見つかった……」
「ああ~、そっか。アタシのでバレたわけじゃないとは思うけど、難しいわね」
端的な森山の報告に理解が追いついていなかったが、内容をかみ砕いていくと、必然性のある結果に大槻は遠い目をした。
つまり、森山の感覚が確かであれば、ここで偵察していた大槻と森山に美南が気付いたのだ。あの人混みの中で周囲360度を警戒し、ピンポイントで発見してくるのは美南の能力を把握していれば、気のせいで終わらせられず、寧ろやり兼ねないと納得してしまう。
それも、気付かないフリをして泳がせるわけではなく、牽制という形で、今後の大槻たちの取れる選択肢を塞いで来ようとしているのが嫌なところだ。
「どうしよっか」
気まずそうに森山が大槻の判断を仰いでくる。
元々心の奥底で想定していたが、流石に即座にバレないだろうと切り捨てた内容なだけに、大槻も絶句する。森山の落ち度も全くないので、責めるのはお門違いである。
本来は久保が大学に来ないことも考慮に入れて、自宅からの追跡も検討していたが、美南のことだからすぐバレると、態々回りくどく切り替えていたのだ。人が多いならば発見は難しいだろう、と。
大槻もそれを理解しているし、そもそも大槻が森山に本気で怒ることなど無い。
寧ろ、責められるべきは判断を下した大槻の方だ。
仕方ないと大槻は溜息を吐いて、もう自棄気味に言い放つ。
「煽られてるままじゃアレだし、この際、アタシが特攻してこようかしら」
誤解があるかどうかは置いておいて、このままにしておくとどちらかの疲弊を待つだけの停滞になると予測される。上からの介入が早ければその限りではないが、その犠牲者になるであろう大槻は勘弁してほしいと考えて、様子見を諦める選択肢を挙げたのだ。
「怒られない?」
「うぐっ。……良いのよ。別に喧嘩を売るわけじゃないわ。チホちゃんもバックアップでいるしね」
森山は森山で大槻の判断を最優先としているため、質問はしたが意図はない。それが大槻の急所に当たっているのだが、結論ありきな彼女にとっては自然で無自覚なものだった。
「私たちの他にも中に紛れてるんじゃないの?」
「アタシたちは面識ないんだから、いないも同然でやるのよ。言い訳も立つけど、こうなったら何か言われてひっくり返されないように、清華ちゃんにはギリギリで連絡しておきましょ。それでアタシたちに責任を押し付けてくるんだったら、こういう想定をしないままアタシたちに偵察を任せた検討不足の会社が悪いのよ」
他責思考は良くないが、第一に大槻と森山は正式に所属している人員ではないことを盾に、自身の裁量を過大評価していく。そこには人材として貴重な森山を一旦遠ざけておく意思もあるが、大槻は今日1日が終了するまで黙っておくことにした。
◇
学生食堂。通称、学食。
生協により大学に併設されたその食堂は、特に1人暮らしをする学生の利用する場として機能している。ビュッフェ形式で好きな食材を取って会計をし、好きな席で食事を取ることができる場は講義を受ける学生数に準えて収容人数もかなりのものだが、お昼時にもなれば人で埋め尽くされるくらいには利用者が多い。比較的に控えめな値段に抑えられているし、弁当を持参しない学生にとっての味方である。
ただ、久保は学食を利用するよりも、隣の大学生協購買部でカップラーメンやおにぎり、惣菜パンを買って食事を取ることの方が多い。理由は簡単で、こちらの方がスムーズに買い物ができて、学食よりも更にコストを抑えられるからだ。ルールが介在する学食よりも気が楽なことも1つの要因と言える。
それでも、今回学食を利用して食事をすることに決めたのは、1人で食事を取ることが多い久保の傍に腰を落ち着けて会話するべき相手がいるからだ。
それも2人もだ。
「ほほぅ、ここが学食!」
待機列に並びながら、目を輝かせて周囲を見渡す大槻を眺め、久保から溜息が出る。
「初めてなんですか?」
「そりゃあ、今のアタシは学歴高卒のフリーターだからね。高校も購買がこぢんまりあった程度で、学食なんてものはなかったし。漫画で当たり前のようにあるのを見ると、憧れるよねえ〜」
邂逅がマイナスから始まっていたように久保は思っていたが、賽を投げてきた当の本人はその気の無さそうにはしゃいでいる。
呆気に取られて応対しながら美南をちらと見れば、美南は会話には乗らずに無表情に大槻を注視している。その影響からか、久保も気を引き締めつつも大槻へは警戒を表に出さないように努めている。
挟まれた身の上の話には突っ込まず、久保は会話を回す。
何がどうあれ、久保の荷物はまだ大槻の手中に収まっている。自分の持ち物だからと無理にひったくろうものならば、周囲から見られているのも相まって逆に通報されかねない。
「僕の高校時代もそんなものでしたよ。基本的にお弁当持参で、母には苦労を掛けました」
食事に関しては母親の領分であったため、任せきりになっていた。お陰で大学を進学したところでも弁当を作る概念は残念ながら薄いし、添加物ののった食品に在り付くのが当たり前になっていた。何しろ、弁当を作る際には仕込みや早起きが必要になってくる。ならば、その面倒くささはお金で解決した方が楽だと見積もっている。
内心で自身の食事事情を考えていると、何とも言えない顔で大槻が久保をじろじろこちらを見てきている。
「……何か?」
「……いや。勘違いしているかもしれないから言っておくけど、アタシはあんたよりも年下だから、別にそんな畏まる必要はないかなってね」
大槻の言い分に、不躾にも久保は驚く。
外見に合わずてっきり背が低く童顔でも年齢では上なのだと思っていたからだ。昨夜の相手が中年男性であったことからその身内となればと換算していた。ともすれば、年齢は19か20歳であろうと推測できる。
但し、それが正しいと仮定するならば、大槻たちは少なくとも久保の個人情報をある程度握っていることに等しくなる。開口一番が殺害を主としていたのと合わせれば、何とも計画的と言える。
「たとえ、そうだとしても初対面の人相手に馴れ馴れしくするにはハードルが高すぎますね。就活手前なこともありますし、相手が誰であろうと言葉遣いは注意しますよ。たかが1年や2年の差で優位に立てるものでもないです」
驚いた点のみを表情に出して、警戒をしてないと錯覚させるためにも丁寧に言葉を紡いでいく。既に、一定の警戒度があるのは認知されているだろうし、刺激を強めるのも良くはない。
「へぇ。そんなものなのねぇ~」
敬語を引き続き利用されるのを多少は不満に思ったのか、否定せずとも声が少し低くなっていた。友人になろうとしているわけでもないので、このままで良いのだが、彼女の声音は詰まらなさそうに聞こえてくる。
ただ、久保が美南に対して話している手前、このスタンスを久保自身が崩すことは、現状では無い。久保が塾で講師を担当している生徒に対しては、比較的砕けた態度で接しているのは秘密である。
「それにしても、何にするのか迷うなあ」
大槻もそこまで追及するものでもないと思っているのか、既に興味は学食の料理に釘付けになっていた。待機列から解放され、食べたいものの小皿やそのものを取り分けていくのに夢中である。
その姿を目に留めつつ、久保は美南とともに温かいかけうどんと少しのトッピングですぐに会計に赴いていた。
会計も簡単に済み、空いている場所を探せば、丁度隅の方の4人掛けの席を確保できた。
座席についたときには、漸く食べたい料理が集まったのか大槻が会計の列に並んでいる。あと少しだけ時間を要するであろう。料理に手を付けずに待つ。流石に短時間で麺が凄く伸びることはないし、冷めもしない。
久保の隣にいる美南もその時間を理解したのか、大槻がいる場面では無言を貫いていた口が開いた。
「耀壱さんも十全に警戒なされているかとは思いますが、わたくしの方でも対処可能ですし、より広範囲で周辺の警戒もしています。ご安心ください」
「……はい、大丈夫ですよ。ありがとうございます」
出会って1日も経っていない筈ではあるのだが、そんな美南の殊勝な態度に久保から笑みがこぼれる。出会いのインパクトが強すぎるせいか、久保自身、美南への信頼度が想像以上に高いらしい。依存は良くないが、助けられたあの日に命が無かった可能性の方が高いことを理解しながら、久保は受諾と感謝の意を言葉で示す。
「深幸さんは彼女の事をどう考えていますか?」
ふと、気になったため久保は美南へ質問する。大槻への美南の評価は聞いておいた方が物事を進めやすいのではという浅い考えだが、美南も数秒黙ってから久保へ顔を向ける。
「この場での話ですので、直接的なことは避けますが、行動の経緯は彼女の独断が大きいように見られます」
詳細の話は2人きりの時にと暗に示し、美南が続ける。
「今朝の通学の際に、彼女を目視しています。人数は2人。マンションの屋上階にてこちらを観察していたところを確認しました。威嚇、という訳ではないですが、わたくしが煽ったところで耀壱さんに接触を図ろうと決断したのでしょう。姿を見せていないもう1人については、この場ではないところで随時観察しています」
「……煽ってたんですね」
美南は通学の際に周囲を見渡していた。もしかしたら、そこで掴んでいたのかもしれない。自然な対応すぎて、久保は一切気付いていなかった。
「ええ。共有しておらず、申し訳ございません」
「深幸さんに委ねている部分もありますから、気にしないでください。分からなければ、僕からも質問するよう努力しますし」
美南が軽く頭を下げてくるが、久保は軽く流しておく。設定上では作成していたが美南の能力を鑑みると、思っている以上に授受できる情報量が多いのではと久保は落とし込む。数多ある情報を最適のタイミングで久保に毎回公開するのは難しいであろうし、優先順位の組み立ての中で忘れてしまう可能性も否めない。
久保もここずっと目の前のことにのみ集中し過ぎていたため、自身に落ち度もある。
であれば、できる範囲で主体性を持つのが重要だと久保は考えつく。
「それにしても、成程。彼女のバックにいる人たちと情報共有はしているかもしれないけれど、僕たちの情報を少なからず持っていて、対面の仕方が突発的に見えるあたり、雑さもあるってところですね。昨夜の男の姿はどうですか?」
淡々と応える美南の意見を取り入れつつ、久保は相槌を打った。美南の能力を実際に把握している身からすれば、異常な設定をしたものだなと久保は感心する。安全の確保に於いては、周囲の把握が細微までできる美南は優秀である。どんな場所であろうと光の届く先ならば、視界におさめてしまう美南の独壇場と化す。
こうして久保からの質問にしても、視線を上げた程度で分析が為されているのだ。
「あれきり周辺にはいないようです。どうやら、後方支援をしていた2人に引き続き情報収集を任せ、撤退しているのでしょう。情報収集の為だけならば、姿を現しているのは不可解ですが」
目配せで、話はそれまでで一旦打ち切る。
丁度、会計の波から脱したであろう大槻が、料理の載ったトレイを慎重に持ちながらこちらへ向かってくるのが見える。一区切りはついたし、聞かれていい話でもないだろう。
間もなくして、大槻が到着した。
――同時に、大槻が仏頂面で久保と美南を交互に見たかと思えば、あり得ない指摘の言葉が入った。
「不可解で悪かったわね」
学食に上がっていたテンションは空に消え、それでも手元の料理は丁寧にテーブルに置いて、大槻が批難する目で大仰に席についた。
「それで~? 雑なことをしてる私に陰口を聞かれていた君の感想はどうだい?」
こちらを盗み見ていたようには見えていなかったことから、読唇術ではない。しかし、会話の内容を言い当ててくる彼女からはハッタリをかましているようにも見えない。ペースを久保たちに譲るつもりは無さそうに、会話の主導権を握ってきたが、返しの言葉に詰まる。
「そこの女の目が良いように、アタシは耳が良いのさ」
沈黙を優勢と捉えたのか、勝ち誇るような歪んだ笑みで大槻が哂う。
対して、美南には動揺はなかった。「成程」と呟いた後、合点がいったように大槻へ答え合わせを始める。そこに、陰口だというジャブが最初から無かったようにスルーさえしている。
「昨夜にあなた方がわたくしたちを追ってこられたのは、貴方の能力に依るものでしたか」
その瞬間、今度は大槻の表情がポカンとする。言い返せるとは思っていなかったのか、はたまた美南の指摘が的を得ていたのか、数秒間硬直していた。
ただ、直ぐに機能を再開し、くつくつと笑った。
大槻の表情がころころ変わる。ひとしきり笑うと、体裁を整えながら興味深げにしている。
「カマかけにしては面白かったよ。筋道を立てればそうなるだろうしね。にしては、そんな予測になるのが早すぎないかとも思うけど、隠すつもりもなかったし話してあげるよ。でも、確かにアタシがあんた達にプレッシャーをかけられていたのなら、それはそれで爽快だね。――まあ、まずは顔合わせってことで自己紹介を最初からかな? いや、やっぱりご飯だよね」
目の前の料理に目を光らせ、手を合わせる。
忘れていたように久保もそれに倣い、「いただきます」で食事を開始した。
◇
どこからともなく久保等の食事風景を眺めて、森山は緊張感の無さそうな声で独り言が吐き出す。大槻を大切だと想っている一方、万が一にも危機は訪れないと確信しているからだ。
「おなかすいた」
~小話~
大槻と森山のキャラで参考にしたのはカードゲームの遊○王にあるテーマ「イ○ルツイン」のメインおふたりです。全く似てません。このペア、即席で作ったキャラなのに、好き勝手頭の中で動いてくれて書いてて楽しいですね。
実はゲーム実況の配信者活動もしていて、JSDも認知しています。
それにしても君たち、身体マジで大丈夫か……? 会社のブラックが垣間見えています。




