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第6話 どうして尾びれになるの?

街道を歩きながら、ユニはずっと自分の足を眺めていた。

「ねえ、ロッタ」

「なに?」

「私の足って……また尾びれになるのかな?」

「……それ、僕も気になってた」

昨日、ユニの足は突然、尾びれに戻った。

そして今朝には、何事もなかったように二本の足に戻っている。

「魔法の暴走のせいかな?」

「たぶん」

「でも、どうして?」

「分からない」

二人は歩きながら考える。

そのとき、ユニが道端の小さな水たまりを見つけた。

「水!」

ユニが近づく。

そして――

ぴちゃ。

裸足の足先を水につけた。

「…………」

「ユニ?」

ユニが固まった。

「……なんか、変」

「え?」

ユニの足先が淡く光っている。

「また?」

光が少しずつ広がる。

「ロッタ!」

「離れて!」

ロッタが慌ててユニを水たまりから離す。

すると光が消えた。

「……戻らなかった」

ユニは自分の足を見る。

「海じゃないから?」

ロッタが考える。

「もしかすると……水そのものじゃなくて、海の魔力に反応してるのかも」

「海の魔力?」

ユニは首を傾げる。

「私、海で生まれたから?」

「そうかもしれない」

二人はまだ知らない。

ユニの身体には、魔法の暴走によって奇妙な力が残っている。

異世界の力がユニを人間の姿にしている。

けれど、海の力が強くなると――

本来の人魚の姿が戻ってくる。

「じゃあ、海の近くに行ったら……」

ユニが想像する。

「また尾びれ?」

「たぶん」

「……歩けなくなる!」

「そこ?」

ユニは真剣だった。

「だって、歩くの大変なんだもん!」

ロッタは笑った。

「じゃあ、尾びれになったら僕が運ぶよ」

「ほんと?」

「重くなかったらね」

「失礼!」

ユニが頬を膨らませる。

二人は笑いながら歩いていく。

しかし――。

遠くの森の向こうから、微かな水音が聞こえていた。

この先には、大きな湖がある。

そしてユニはまだ知らない。

その湖で、再び尾びれになることを。

そして、そのとき初めて――

「8時間8分」という足の秘密に近づくことになる。

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