第38話 王城突入! ユニ様救出隊、いざ出陣!
夜明け前。
王城の巨大な門を前に、一行は立っていた。
ユニ、ロッタ、レオン。
そして――
賢者、マリ、カイル。
マリは城を見上げていた。
「……大きいですね」
賢者が頷く。
「うむ」
マリが杖を握る。
「壊しがいがありそうです」
「壊さない!」
ユニが即座にツッコむ。
カイルも真顔で城壁を見ている。
「……確かに、かなり頑丈そうですね」
「カイルまで何を考えてるの!?」
「いえ、侵入経路を考えているだけです」
「なら安心……」
「正面突破が一番早そうですが」
「安心できない!」
ロッタとレオンが笑う。
「この三人、完全にユニの親衛隊だね」
王城の騎士が立ちはだかる
門が開く。
「止まれ!」
大量の騎士が現れた。
先頭には、カイルの上司。
「カイル! 何をしている!」
カイルは一歩前へ出る。
「王城地下の調査を要求します」
「許可できない!」
「では、質問します」
カイルの声が低くなる。
「王城地下に、青い髪の少年を拘束していますね?」
騎士たちがざわつく。
ユニがそれを見逃さない。
「やっぱり知ってるんだ……」
隊長が叫ぶ。
「王命だ! この者たちを捕らえろ!」
騎士たちが一斉に剣を抜く。
その瞬間――
マリが前に出た。
「ユニ様」
「なに?」
「少しだけ、派手にしてもよろしいですか?」
「……少しだけなら」
「ありがとうございます!」
「え?」
ドォォォン!!
マリの魔法が地面を揺らす。
ただし――
騎士たちには一切当たらず、
城門だけが綺麗に吹き飛んだ。
「マリちゃん!?」
「道を作りました!」
賢者が拍手する。
「見事じゃ!」
「師匠!」
二人がハイタッチ。
「「ユニ様のためなら、この程度!」」
ユニは頭を抱えた。
「……この二人、本当に大丈夫かな」
賢者、昔の力を見せる
さらに騎士たちが押し寄せる。
賢者が前へ出る。
「ここから先はワシが相手をする」
杖を振る。
バァン!!
騎士たちの足元に魔法陣が現れ、
全員がその場で動けなくなった。
「殺しておらん」
賢者は淡々と言う。
「ただ眠ってもらっただけじゃ」
マリが感心する。
「さすが師匠!」
「昔はもっと凄かったぞ」
レオンが尋ねる。
「昔って……?」
賢者の表情が一瞬変わる。
「……黒の賢者と一緒に戦っていた頃じゃ」
ユニが振り返る。
「黒の賢者と?」
「ああ」
賢者は城の奥を見る。
「ワシとヴァルガスは、かつて親友だった」
「そして――」
一瞬、声が震える。
「三人の前世を守るために戦った仲間だった」
王城地下
その頃。
黒の賢者ヴァルガスは、巨大な魔法陣の前に立っていた。
中央には青い髪の少年――アオ。
その周囲には三つの空席。
青。
銀。
金。
ヴァルガスが呟く。
「もうすぐ埋まる」
アオが目を開く。
「……お姉ちゃん」
「会いたい?」
「……うん」
ヴァルガスは微笑む。
「なら、呼べばいい」
アオが手を伸ばす。
「お姉ちゃん……」
「アオ!」
突然。
ユニのポシェットの貝殻が光った。
『お姉ちゃん!』
「アオ!」
ユニが走る。
「聞こえる!」
『お姉ちゃん、ここ……』
「今行く!」
しかし――
ゴゴゴゴゴ……!
王城全体が揺れ始めた。
レオンが叫ぶ。
「魔力が急激に上がってる!」
ロッタの銀髪も光る。
「地下だ!」
賢者の顔が青ざめる。
「まずい……」
「何が?」
賢者が呟く。
「アオを助けるだけでは済まなくなった」
マリが振り返る。
「どういうことです?」
賢者は地下を指差した。
「この城そのものが――」
「巨大な境界魔法装置になっておる」
黒の賢者の本当の狙い
ヴァルガスが魔法陣に手をかざす。
「三人が揃えば、扉は開く」
「ユニ」
「ロッタ」
「レオン」
そして――
アオを見る。
「四人目が目覚めれば――」
魔法陣の奥から、
巨大な黒い影が浮かび上がる。
「境界は完全に開く」
ヴァルガスが笑う。
「この世界は、もう一度――」
「始まりの世界へ戻る」
地下への扉
一行は、地下へ続く巨大な扉の前に到着した。
扉には文字が刻まれている。
「青・銀・金、三つの魂を持つ者のみ開け」
ユニが扉に手を触れる。
青い光。
ロッタが触れる。
銀色の光。
レオンが触れる。
金色の光。
三つの光が重なった。
ゴゴゴゴゴ……!
扉が開く。
その先から――
「お姉ちゃん!」
ユニの顔が輝く。
「アオ!」
ユニが走り出す。
しかし賢者が叫んだ。
「待て!」
「え?」
賢者が見たもの。
アオの後ろに立つ――
黒の賢者。
そして、そのさらに後ろ。
巨大な壁画。
そこには――
四人の姿。
ユニ。
ロッタ。
レオン。
そして――
アオ。
賢者が震える。
「……違う」
「四人目はアオではない」
「じゃあ……誰?」
壁画の奥から、
もう一つの影が現れる。
ヴァルガスが初めて焦った顔をした。
「……まだ早い!」
影がゆっくり目を開く。
そして――
「やっと、私の出番ね」




