第25話 狙われたロッタ――「その少年を渡せ!」
翌朝。
ユニたちは森を抜け、次の町へ向かっていた。
「今日はどんなところかな?」
ユニは楽しそうに歩いている。
「おい、ユニ」
ロッタが少し後ろから呼ぶ。
「ん?」
「昨日の貝殻の話……」
「うん」
「気をつけたほうがいいと思う」
ロッタは胸元のペンダントを握った。
なぜか昨夜から――
妙に熱い。
「これが、ずっと熱いんだ」
「そのペンダント?」
「うん」
レオンが振り返る。
「見せて」
「え?」
ロッタがペンダントを外す。
レオンが触れた瞬間――。
バチッ!
「!」
レオンが手を離した。
「……魔力が入ってる」
賢者が駆け寄る。
「どれ、ワシにも――」
その瞬間。
森の奥から――
ザッ……
枝を踏む音。
全員が振り返った。
「誰?」
ユニが不安そうにする。
返事はない。
もう一度。
ザッ……ザザッ……
今度は複数。
「囲まれてる」
レオンが小さく言った。
賢者が杖を構える。
「全員、下がれ!」
木々の間から黒い服の男たちが現れた。
その数――十人以上。
「……やっぱりここにいた」
男の一人がロッタを見る。
「見つけたぞ」
「僕?」
ロッタが驚く。
男は剣を抜いた。
「その少年を渡せ」
ユニがすぐにロッタの前へ出た。
「嫌!」
「ユニ……」
「ロッタは私の友達だよ!」
マリも杖を構える。
「人魚様に近づくなら――」
賢者が遮る。
「待て、マリ」
「先生?」
賢者は男たちを睨む。
「お主ら、何者じゃ?」
男は答えない。
ただ、ロッタの胸元のペンダントを見つめる。
「そのペンダント……」
「?」
「やはり間違いない」
男の顔が青ざめる。
「銀の一族の証だ」
「……銀の一族?」
レオンが反応する。
その瞬間――。
ロッタのペンダントが、
まばゆい銀色に輝いた。
「うわっ!」
ユニが目を覆う。
ロッタは胸を押さえる。
「……頭が……」
「ロッタ?」
「なんだ……これ……」
男たちが一歩後退する。
「まだ覚醒していないのか……」
「ならば、今のうちに――」
男が走り出す。
「ロッタ!」
ユニが叫ぶ。
その瞬間――。
ロッタの目が――
鋭く変わった。
そして、黒かった髪が――
一筋、銀色に変わる。
「……誰が」
低い声。
「僕の仲間に触っていいと言った?」
全員が凍りついた。
レオンが目を見開く。
「……この魔力」
賢者も息を呑む。
「まさか……」
そして賢者は、震える声で呟いた。
「銀の一族……」
次の瞬間。
ロッタの周囲に、とてつもない魔力が渦巻き始めた。
ユニはただ、ロッタを見つめる。
「ロッタ……?」
しかしロッタは――
もう、いつもの優しい少年の顔ではなかった。




