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鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


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……番外編①『抱負と豆腐と、人生の迷走曲』

~言葉は踊る、会話は転ぶ~


「さて、今年の抱負は何ですのん?」


「……冷奴もええけど、やっぱり鍋やねぇ」


「こらこら! それは豆腐やがな! 抱負や、抱負!」 思わず天井まで飛んでいきそうなツッコミが入る。


「ほな、山梨県の県庁所在地は?」


「そら甲府(こうふ)や!」


「惜しい! 音は合うても意味が違う! 今、地理の試験しとるんちゃうで!」


「For who?」


「……誰のために?」


「おいおい、英語に逃げてどないすんねん! 抱負を聞いとるんや、抱負を!」


言葉の迷路を右へ左へ、会話はすっかり道草三昧。 直訳したり、聞き違えたり、挙げ句の果てには話の焦点まで行方不明。 こりゃもう、会話の遭難救助隊を呼ばなあかんわ。


そもそも抱負とは何ぞや?


それは、心の奥にそっと灯す小さな明かり。 今年こそは、あれをやろう、これを成し遂げよう。 そんな計画や決意を、胸のポケットに忍ばせることや。


大きな夢やなくてもええ。 昨日より少し笑顔で、今日より少し優しく。 そんなささやかな願いも、立派な抱負やないか。


ところが、ここでまた珍問答。


「頭かいてみぃ」


「なんやねん?」


「毛ぃかく……?」


「お尻かいてみぃ」


「あ~、ええ気持ち!」


「ケツいー?(決意)」


「もうエエわ!!」


……人生、なかなか思うようにはいかんもんや。 抱負を語るつもりが、豆腐に始まり、甲府を巡って、最後は毛ぃとケツに行き着く。


それでもええやないか。


笑えるうちは、まだ心に余裕がある。 迷うからこそ、道も見つかる。 言い間違いも、聞き違いも、人生という長い会話のスパイスや。


今年の抱負?


そら、難しいことはさておき、 よく笑い、よく食べ、よく眠り、 たまには人の話もちゃんと聞くこと。


ただし、鍋の中の豆腐と、心の中の抱負だけは、くれぐれもお間違えのないように!


人生、最後は笑ろてなんぼ。 抱負は胸に、ユーモアは口に、 そして哀愁は背中にそっと背負うて……。


ほな、今年もぼちぼち参りまひょか。


もうエエわ!(笑)

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