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鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


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第27話「人生用ブースター、屁ぇひとつ」

何をするにも

腰をあげるのが、まぁ重たい。

あげるまでに一仕事。

後期高齢者ともなると――

「そらそうやろなぁ」と実感や。


ほんま、スクーターが要るわ。

……スクーター?


ちゃうちゃう、キャスター。

タバコか!


ちゃう、トースター。

パン焼くやつか!


ちゃうがなコースターって……

コップの下敷き?


それともジェットコースターかいな!


ちゃいまっせ。

ブースターや!!


なんやそれ?

あと押しするもんや。

動力源や。

活力の源、義経や。


ワシな、

「スターがブーッと屁こいて、ブースター」…やと思うてたワ。


せやけどな、

理由もなく、

何もかもが

めんどくさい日って、ある。


そんなときは

好きな歌を聴く。

ドラマを観る。

映画に浸かる。


すると――

人生用ブースター、接種完了!


効果としては、

胸の奥が「ふっ…」とゆるみ、

世界の角が、ほんのちょっと丸なる。

「まあ今日は、これでええか」

その一言に、許可が出る。


それでええ。

それがええ。

また明日へ。

生きる源、

小さなブースターを抱えて。

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