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鳥獣戯詩  作者: 妻戸裕次


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第26話「カッコに閉じこめられたカッコウ」**

上と下に

右と左に

カッコつけて


気がつきゃ

閉じこめられた

――篭の鳥。


「カッコつけすぎやろ」

と、連れが言う。

せやな、返す言葉も

カッコの中。


かっこ

かっこ

かっこ……


カッコばっかり先走り、

山口百恵か!!

(古ッ…)


静かな湖畔の

森のかげから

かっこう かっこう

(追いかけて)

かっこう かっこう


……輪唱か!!

合唱団か!!


悪をカッコで閉じこめて、

ちょっと安心。


でもそれって……

かっこ悪ッ。


カッコウが鳴く。

さびれた町に

ひとつ鳴く。


日本では

閑古鳥とも言うらしい。

名前まで寂しないか。


それでもカッコウは

不思議な鳥。


生きてる世界と

あっちの世界を

行ったり来たりする

メッセンジャーやて。


ほな、頼むわ。


カッコウよ、

オヤジに伝えて。


「心配せんでええで。相変わらずやけど、ちゃんと生きとる。たぶんな。」


カッコウよ、

おふくろにも頼む。


「今になって分かったわ。あんたの小言、全部、愛情やったんやな。」


……

かっこう。

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