第7話 スライム、エルフ幼女を泣かしてしまう
ゴブリン退治作戦は大成功したようだ。
始めのうちこそ警戒され、遠巻きに弓矢を向けられてしまったが、昨日の少女が現れてから風向きが変わった。
「うまうま、うまうま……」
そして今はドライフルーツ祭りである。
村人たちが差し入れてくれたのだ。
大きなザルに、色とりどりのドライフルーツが山盛りになっている。
せっかくのご馳走だ。一気にがっついたりはせず、触手を伸ばしてひとつずつ堪能する。昨日食べたプルーンみたいなやつの他に、イチジクやアンズみたいなものもある。全部甘酸っぱいが、それぞれに香りや味わいが違って面白い。
「縺翫°縺ゅ&繧?、繧上◆縺励b逕倥>縺ョ鬟溘∋縺溘>……」
「縺励>っ、繝?Γ繧?! 縺翫≧縺。縺ォ蜈・縺」縺ヲ縺ヲ!」
堪能していたら、エルフの子供がこちらを見て指を咥えていた。
人間で言うと5~6歳くらいに見える幼女だ。
そして、それをお母さんらしきエルフが窘めていた。
あー、きっとドライフルーツがほしいんだな。
「はい、どうぞ」
ドライフルーツを触手でひとつかみ。
にゅるりと伸ばし、目の前に持っていってあげる。
親子揃って凍りついたようにびしりと固まった。
うーん、驚かせちゃったかな。
でも、しばらくじっとしていたらおずおずと手を伸ばし、受け取ってくれた。
よしよし、かわいいねえ。
頭を撫でてあげよう――
「縺ウ縺医∴縺医∴縺医∴!!!!」
――としたら、泣き出してしまった。
お母さんエルフが幼女を抱き上げ、走り去っていく。
いかんいかん、調子に乗りすぎたようだ。
知らないおじさんが急に頭を撫でようとしてきたら怖いよね。
反省反省。もうやらないよ……。
さて、これからどうしよう。
できれば村の中を見せてほしいけどなあ。
でも、あまりがっついて嫌われたら困る。
ま、焦ることもないか。
敵ではないことはわかってもらえたんだし、後は時間が解決してくれるだろう。
とりあえず、ゴブリンを退治した証拠はちゃんと見せたし、後片付けをしますかね。
経験値も稼いでおきたいし。
雑魚とは言え、チリも積もればと言うやつだ。
触手を伸ばし、逆さ吊りにしたゴブリンをもぎもぎして食べる。
ふう、もぎたてジューシィ。フレッシュで最高だぜ!
嘘です。ジューシィでフレッシュだけど美味しくはない。
なんか油粘土とアンモニアを混ぜたみたいなひどい味だ。
「繧エ、繧エ繝悶Μ繝ウ繧帝」溘▲縺ヲ繧?……」
「鬲皮黄繧貞眠繧峨≧鬲皮黄……」
「縺サ、譛ャ蠖薙↓蜊ア髯コ縺ッ縺ェ縺??縺??」
エルフの皆さんがざわついている。
顔をしかめ、ドン引きしているように見える。
「うわあ、ゴブリンなんてゲテモノ食ってるよ……」
「あんな不味いもの食べる人、初めて見たわ」
「ゴブリンを食べるくらいなら死を選ぶね」
きっと、こんなことを言われているに違いない。
でも、俺に食べないという選択肢はないのだ!
やがて最強のスライムとして無双するために……ッ!!
そして、いつかドラゴンやフェニックスなんかを食べるんだ。
そういうレアモンスターなら、味も経験値も一級品だろう。
そのためなら、このクソマズゴブリンだって耐え抜いてみせるぜ!!
ばくばくばくばくばくばくっっっっ!!!!




