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彼女はファザコンをこじらせている  作者: 花摘
帝国騒乱編
73/250

魔物の原因

 


「ミア様、家具が届きましたのでお部屋に運びますね。」

 この家に来て、何日か経った頃、家具が家にやって来た。

 職人さんらしき人が、3人程、二階に家具を運び込んでくれる。私は邪魔にならないように、ラグの部屋に引っ込んでいたが、最後の調整をしたいから、ということでカイルに呼ばれた。


「わ、可愛い。」

 部屋に入って目に飛びここんできたのは、淡い緑と白で統一された、可愛らしい家具だ。よし、寝台はまだできていないようだな。

 カイルも満足そうだ。私に部屋の中央に立たたせ、満足げに頷いている。カイルさんはコーディネートがご趣味でしたか…、私の服も全部揃えてくれているもんね…。

「ミア様、そちらの椅子に座ってみてください。高さを見てみましょう。」

 言われるままに、座ってみると、少し足がプラプラするが、机には問題なく届く。

 職人さんが、踏み台をつけるか聞いてくれたが、それほど問題は無い。

「これで大丈夫よ、可愛らしい家具を作って下さってありがとう御座います。」

 微笑んでお礼を言うと、職人さん達はホッとしたように笑った。

「いやあ、旦那様にこんなお綺麗な、お嬢さんがいたとは、驚きましたわい。注文を頂いたときは驚きましたが、作らせていただき光栄です。」

 うーん、お嬢さんではないんだけど、まあいっか。

「お嬢様ではなく、奥様です。」

 カイルは、よくはなかったらしい。…職人さん固まっちゃったよ。

「えーと、政治の都合で色々とございまして…、ラグの人格に問題があるというわけではまったく御座いません。…娘のように大切にしてもらってますので、お嬢様という認識で間違っているわけではないのです。」

 ラグはロリコンじゃないよ!と一生懸命伝えると、職人さんも少しホッとしたようだ。

「お貴族様には色々とあるのでしょうね、…これからも、どうぞご贔屓に。」

 そう言って帰っていった。


 それにしても、

「ラグとの婚姻は、まだ告知されてないないのかしら?」

「後宮の始末などもありますから、どのように発表されるか決まってないのではないのですか?王都では少しずつ噂になっているようですが。」

「えっ、どんな噂なんだろう…。」

「………まあ、色々、」

 何だその間は。

「そんな言い方では気になるではないですか。教えて下さい。」

 教えてくれないと、靴下とマントに仕込んだ魔法紋に、魔力補充しないぞと脅かすと、あっさりと、白状した。

「一番多いのが、騎士団長様と皇女様が恋に落ちたというロマンスバージョンですね。ミア様の年齢も公表されておりませんので…。後は、皇女様が、騎士団長と国王との恋を取り持つというネタですね。」

 ロマンス…、年齢知られてないんかい。まあ、ほぼ表に出てないからなあ

 それに、そのネタって…。

「一般国民にもその噂は広まっているのですね。」

「ええ…、一部の女性層から圧倒的支持を受けています。迷惑ですから、国王陛下にはいい加減お相手を見つけてほしいものです。」

「カイル、そんなことを言っては、不敬に当たるわ…、プフッ、」

「ミア様の笑い方のが不敬ですよ。…他には、女嫌いの国王に嫌気が差した皇女様が、騎士団長に迫ったとか、国王に飽きた騎士団長が、皇女様に手を出したとか…」

「プッ、やっぱり二人が恋仲ありきなのね。ある意味凄いわね。」

 私が爆笑していると、カイルは悲しそうに訴えてくる。

「笑い事ではございませんよ、ミア様もその噂の一画なのですからね?今後は是非仲の良さを国民にアピールして、噂を払拭してください!」

 そう入ってもなあ…。

「私が成長するまでは、カモフラージュ説は消えないと思いますよ?他の噂は、私の姿を見ることで払拭されるでしょうが…。」

 正直、この類の噂はどうしようもない。皆面白がっているだけなんだから。

 長年、この噂でからかわれているであろうカイルを、そっと慰めるしか私にはできなかった。


「噂が広まる前に、村に行って、宣言してきたほうが良いのではないのですか?」

「そう思いますが…、旦那様が今は何かと忙しくて、休みが取れませんからね。」

 そうなのだ。後宮の手入れだとか、貴族の汚職とか、大忙しらしく、そんな中でも出来るだけ早く帰ってきてくれるが、流石に休むのは無理らしい。


「カイルやロイのお買い物について行っては駄目なの?」

 ちょっと外に出てみたい気持ちはある。

「大丈夫かとは思うのですが、まだミア様が明らかに痩せていて、病人のように見えてしまうことや、魔物の問題もありますので、もう少し様子を見ようと、旦那様とも話しています。」


 まだ痩せているのか…、だいぶ肉もついて気がするけどな…。

 それよりも、

「魔物って、この村にも出るの?」

「いえ、この村ではまだですが、近くの村では見たという話があるそうです。実害はほとんど無いのですが、なぜ王都の近くにまで現れるようになったのか原因がわからないままですので、用心をしていたほうが良いと思うのです。」


 原因がわからない、か…。知っていることをラグに話すべきなのだろうか…

 帝国関連の問題でも、全く部外者だという顔をするのは難しいと感じている上に、優しい人に囲まれて、ただ平和に生きていて良いのかと言う思いが湧き起こる。



 ……いや、関わらないでおこう。今の私には関係のない話だ。





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