王宮での裏話2
3人で執務室に入り、扉を閉めるやいなや、ジークフリートが問い詰めてくる。
「何を考えている…?!」
バルディも、もの問いたげな顔をしているな。
「聞いての通りだ。俺が考える中で、最善の手を使ったまでだ。お前も最善だと思ったから、特に反論もしなかったんだろ?」
我ながら、冴えた考えだったと思う。
「…そうだが、お前はこんな風に嫁が決まっても良いのかと聞いている!」
ああ、そっちの心配か。
…若いときは、それなりに嫁や家庭に対して夢を持ってたし、恥ずかしい夢をこいつにも聞かせちまったからな。…むしろ忘れてほしいんだが。
「しかしな、実際問題、俺が嫁をどっかから見つけてきたとしても、議会や世論の承認を得られそうな人間が思いつくか?…無理だろう?貴族だろうが平民だろうが、絶対半数以上から文句が出るだろう。」
そう言うと、ジークフリートが苦い顔をして呟く。
「それでも、見つけてきたら、出来る限りのことはしようとは思っていたんだ…。」
「気持ちだけ受け取っておく。」
多分無理だっただろうからな。王の「出来る限り」は、出来ないことのほうが多い。
「そもそも、生まれながらの皇女に、お前との結婚など上手く行くわけがない!お前の屋敷なんか見たら、泣いて逃げ出すぞ!」
…お菓子を並べておけば、簡単に居着く気がするがな…。大体、お前が言うなド阿呆が。
「結婚生活〜、なんてどの口が言ってんだ?」
ということで、
「これに判子くれ。」
ジークフリートに紙を渡す。国王が貴族同士の婚姻を、許可する書類だ。
「いつ用意したんだ!!」
「若い騎士が、いざというときの為に持ち歩くのが流行っているらしくてな、貰ってきた。」
「なんだその風習は!」
「交際をを申し込む時に、真剣さをアピールするためらしい。逆効果だから止めておけと言ってやったぞ。いいから早く判子押せ。」
「なぜそんなに急ぐんだ…、そもそも私との離婚が成立していない。」
「そんなもの、お前の胸三寸だろ?…ほら、早く出来る限りの事をしてくれよ。それと、書類が出来たら、後宮に直接言ってこい」
国王以外の男は、既婚者しか入れないのため、俺は迎えにはいけない。
それに、ジークフリートは自分の目で現実を見るべきだ。
「…呼び出すのでは、駄目なのか?」
「駄目だ」
色んな意味で。
「…バルディとお前は、グスタフを罰する口実を探してたんだろ?…そうだな…一週間後、騎士を何人か連れて迎えに行ってくれ。そうすれば、バルディの目的も、ある程度は果たせるだろよ。」
バルディが、それを聞いて、疑いの目を向けてくる。
「其の方…、一体何を把握している?まさか後宮に入ったのではなかろうな!?」
多分二人が、考えもつかない事を把握しているよ。
「さあな、俺が後宮に入れる訳無いだろう。」
向こうが出てきたんだ。
じゃあ、よろしく。と言ってそそくさと部屋を出る。
議会出席用の礼服では、森に行けない。




