お祖父様とのお勉強2
勉強の合間に、運動もする。逃げるためのランニングや、身を守るための剣を避ける練習などだ。
「剣の練習はしなくて良いのですか?」と聞いたら、「剣が携帯できる状況のが少ないのだから、あまり意味のないことに時間は使えぬ」と言われた。女性はずっとドレスだし、剣を持っている人はいないからね…。
「魔法を鍛えるか、魔法紋を仕込んでおくほうが有効だ」
そう、魔法。その魔法の勉強が一番厄介なのだ。
楽しいんだけどね。やっぱり魔法だし。ファンタジーだし。
しかし詰め込み型で教育するのには向いていないと思う。
まず教育方針として、お祖父様は、「其の方には、すべての属性の魔法を万遍なく覚えてもらう」
との賜った。
「すべての属性に均等に力を分けてしまうと、一つ一つの威力が落ちてしまうと聞きましたけど?」
以前聞いた話を元に尋ねるとお祖父様が頷いた。
「そうだ。属性は使う頻度にしたがって、成長とともに魔力が固定化される」
つまり使える属性が1つなら、その人の百%をその属性につぎこめるが、3つならばそれぞれに3分の1づつしか使えないということだ。だから、騎士ならば得意な攻撃魔法、医師ならば治癒魔法、鍛治屋ならば火魔法、というように、職業によって得意な属性は自然と偏ってくる。逆に、水魔法のようによく日常で使うものは多くの人が使えるということだ。
「魔法は組み合わせ次第で様々なことができる。魔法の属性が多いほどその組み合わせも増える。使える魔法の種類が多いほど生き残る可能性は高かろう」
なるほど。組み合わせるのか。
「まあ、場合によっては、器用貧乏の役立たずに終わる可能性もあるがな」
…それは言わないでほしかった。
「魔法紋を賢く使えれば魔力量は補えるであろう。属性が均等であることは、魔法紋を作る上でも望ましい」
魔法紋とは、皇族などの限られた人にだけ伝えられている技術で、特殊な記号で条件と動作内容を書き込んでおき、条件が揃ったときは魔力なしでも作動できる優れものだ。
「魔法紋に込めた魔力はずっとためておけるのですか?」
私は、普段誰も使わないであろう地下通路の扉の魔法紋も問題なく作動したのを思い出して聞く。
「魔力で描いた記号が消えない限り使える。より強い魔力、しかも同じ属性で上書きされぬ限り消えないであろう」
なるほど、確かに便利だ。




