離宮への来訪者
気付けば、季節は秋になった。
私は今、森のマイホームの手入れをしている。暫く留守にしても、獣に荒らされないように補強したり、荊棘の藪をもっと茂らせて周りから見えないようにカモフラージュさせている。
と言うのも、先日ラグが来たときに、一週間後に騎士団がこの森に立ち入り、大々的に見回る予定があると教えてくれたのだ。その間は隠れているようにと言われたので、仕方なく離宮に戻っていることにした。
大勢の騎士団に捕まって取り調べを受ける王妃…。洒落になんないからね。
このマイホームが見つかったら、かなり怪しまれそうなので、頑張って隠す。最悪見つかってしまっても、足がつかないように、布や魔法紋のついたものは全て撤去する。5日程かけて、すっかり藪でマイホームを覆い、満足した。
よし、これなら森の小人が住んでいた!とかで誤魔化せそうだ。
…離宮は嫌だけど、一旦戻ろう。
………
……
離宮に戻って2日後、私は離宮近くで明け方から芋掘りをしていた。
ここなら騎士団が来ても、すぐに離宮に戻れるから大丈夫だよね!と考えてせっせと芋を掘っている。
秋に蔓草が枯れると、掘っても良い時期だとラグに教わっていて、枯れた蔓を発見した私は我慢できなかったのだ。
くっ、なかなか手強いな!しかし、私の上達した土魔法の前にひれ伏すが良い!ほほほっ
…なんて、地面にべったりしゃがみ込み、手や顔を真っ黒にして楽しんだ結果、不格好だが、なかなかの大きさの芋を手に入れた。
その場で洗って焼くことにした。煙はまずいので、熱した石一緒に、葉っぱでくるんだ芋を埋めて蒸し焼きにする方法を選んだ。
ふんふん♪
と待つこと20分ほど、芋が焼けましたー!
イエイ、秋の味覚!
見た目は薩摩芋に近いが、甘みはなく、ねっとりとした里芋っぽい味だ。トトというらしい。
塩をかけて食べる。美味しい!けど味噌がほしい!
ああ、秋って素敵…
お腹をさすりながら、木陰で休憩をする。
……
しばらく休むと、お腹が落ち着いてきた。日もすっかり高くなったし、そろそろ離宮に籠もらなきゃな…と考えていると、
突然、大きな破壊音が、離宮の方からした。




