鰹節?
河で大量の魚を獲って以来、私は…鰹節づくりに取り組んでいる。
一度に大量の魚を手に入れたので、干し肉のように燻製にして、保存しようと思ったのだが、ラグの魔法により、半分煮えてしまっている魚の身を燻製にしたら、干し魚、と言うより鰹節に近い物が出来上がったのだ。
これ以来、少しでも鰹節に近づけようと奮闘していたという訳だ。
そして今日、ようやく…
鰹節程の旨味は無く、川魚の風味が出てしまっている気もするが…、ふむ、
「美味しい!!!」
色々やり方を試し、とうとうこの、塩が1番少ないもの+なんか赤っぽい身の魚+一ヶ月以上燻し続けた=一番鰹節に近い!という結果にたどり着けた。
それを出汁に使い、野草を入れただけのシンプルなスープを味わっている。とても美味しい、日本人はやはり魚の出汁が良い。ああ味噌がほしい。
ただ、一つ残念に思う。
「この感動を誰かと分かち合いたい…。」
独りで感動する事が、少し虚しく感じてしまうのだ。
「ラグもまた暫く来れないし…。」
前回から2回くらい来てくれて、色々渡してくれた。私も試行錯誤の品を渡すのだが、返しきれない恩は溜まっていく一方な気がしている。
また遠征に行くというので、心配もあるが、何より「一緒にご飯を食べる」という、人としての楽しみを思い出しってしまった私は、今現在とっても寂しいのだ。
何度かラグに、ご飯を食べていかないかと、誘いたくて仕方なかったが、ぐっと我慢した。次の日も仕事であろう人を深夜までいさせる訳にはいかない。正確な距離はわからないけど王都までは何時間もかかる筈なのだ。
「そもそも贅沢な望みだよね…」
皇族の食事は基本一人だったし、この国の貴族たちもお喋りしながら食べたりはしないだろう。お父様は私と食べるようになるまでは、何十年も一人のテーブルだったと言っていた。
「我慢、我慢…。」
また、一緒にご飯を食べる、そんな機会がふいに出来るかもしれない。
「それまでに料理の腕をあげておこう!」
そう決意して、スープを啜った。




