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彼女はファザコンをこじらせている  作者: 花摘
王妃編
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離宮でお洗濯

 

 ザッブン、と勢いよく浴槽に飛び込む。


「はふ〜。気持ちいい〜」

 森に暫くいたので、久しぶりのお風呂だ。

 …お風呂と言っても、ただの箱だけどね。

 この離宮のお風呂は、魔法で水を貯めて、魔法で温めるやり方の、ようは陶器製の浴槽があるだけで、水道や焚き口がない。魔力に余裕がない時は入れない、一人暮らしには厳しい使用である。

 まあ、この国の貴族や、その使用人はこれで困ることなんてないのだろう。

 平民でも魔力が豊富だから、王都には井戸も水路もほとんどないらしい。すごい世界だねー。


 お風呂に入り、残り湯で服や森で使っていたシーツなどを洗う。

「うわぁ、茶色…」

 汚な〜、汚れがすげ〜。

 今日は一日洗濯だけに魔力を使おう…。井戸掘っちゃおっかな。いずれ…。

 しかし、この離宮もあまり長居したい場所ではない。獣に襲われる心配がない代わりに、人為的危険は何でも起こりうる場所でもあるから、精神面では森にいる方が健やかにいられる気がする。

 浴槽の水を入れ替え、もう一度すすぐ。ジャブジャブ、ゴシゴシ

 この服はもう限界だな…。テロテロのドレス生地は、大事に使っても森ではあっという間にズタぼろになってしまう。繕っても繕っても追いつかない。棘にやられたのがとどめだったなあ。まあドレスだけはまだあるから、大丈夫だろう。

 社交で困らないようにと、様々な沢山のドレスを準備して持たせてくれたルシアとお祖父様には心からの感謝だ。多分2人の予想とは違うだろうけど、すごく役に立っているよ!


 洗濯物が乾くのを待ちながら、燻製肉用の調味料や、道具を用意する。

 準備して、鹿獲って、燻製して…、


「ラグに渡すものも作らなきゃな…」


 冷却魔法石は役に立っているだろうか。




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