第43話:禁忌の代償?
「……。瑞鳥、地上へ降りろ。……。ハヤト、俺から離れていろ」
俺たちは瓦礫の山と化した王宮広場へと降り立った。
俺は瑞鳥を消還し、震えるハヤトを背後へと突き放す。
「……。レオンさん、何をするつもりなの……?
……。みんな、どこに行っちゃったの……っ!」
俺は傍らにいた焔龍、フェンリル、ベル……。
……。さらには影に潜ませていたすべての召喚獣を、
……。一斉に影へと引き戻した。
だが、それは通常の消還ではない。影の魔法陣を、
……。地面ではなく、俺自身の胸元へと強制的に展開した。
「……。ハヤト。……。
……。召喚士には、絶対に手を出してはならない禁忌がある。
……。召喚獣を顕現させず、その力だけを自分自身に宿す技だ」
影から這い出た膨大な魔力の奔流が、俺の肉体へと逆流を始める。
内臓が焼き切れるような激痛が走り、
……。全召喚獣の力が、無理やり俺の血管へと流れ込む。
「……。ガ、アアアッ……!!」
血管がどす黒く浮き上がり、肌の隙間から黄金の火花が吹き出す。
寿命を年単位で削り、肉体を無理やり兵器へと造り変える。
これが、俺の持ち得る最後にして最悪の切り札だ。
「……。レオンさん、もうやめて! 死んじゃうよ……っ!」
「……。ふん。……。
……。お前を連れてきた責任だ。これくらい払ってやる。
……。いいかハヤト、そこを動くな。……絶対にだ」
俺は地面を蹴った。一瞬で音速を超え、魔獣の懐へと潜り込む。
全獣の力を宿した俺の拳が、
……。魔獣の胴体に向けて真っ向から叩き込まれた。
空気が爆ぜ、衝撃波で周囲の瓦礫が粉々に粉砕される。
(……。これなら、……これなら届くはずだ!)
だが、煙が晴れた先にいた魔獣は、
……。俺の拳を片手で、事もなげに受け止めていた。




