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第37話:侵食する泥と、黄金の防壁?

 城壁を降り、市街地へと足を踏み入れた俺たちは言葉を失った。

 かつての喧騒が嘘のように、大通りには人っ子一人いない。

 窓は固く閉ざされ、まるで街全体が息を潜めているようだ。


 (……。王宮の地下へ潜る必要があるが、……。

 ……。正面から行けば、即座に反逆者として捕らえられる。

 ……。裏の魔導路も、今の混乱では封鎖されているだろうな)


 俺が潜入ルートを思考していた、その時。

 王宮の方向から、空気を引き裂くような悲鳴が響き渡った。


 「――いやあああッ!!」


 「……ッ、ハヤト、こっちだ!」


 俺たちは声のした路地へと駆け出した。そこでは石畳を黒く染める

 『泥』がのたうち、数体の歪なゴブリンへと変質していた。


 「ギギィッ!」


 泥から生まれた魔物が、腰を抜かした少女へ爪を振り上げる。

 俺が召喚術を展開しようとした瞬間、ハヤトが叫んで飛び出した。


 「……。危ないッ! 『メロンパン・バリケード』!!」


 ハヤトの手から放たれたパンが空中で巨大な防壁と化し、

 硬化した黄金の壁が、泥の魔物の爪を真っ向から弾き飛ばした。


 「……。えっ、……。助かったの?」


 少女が呆然と見上げる中、ハヤトが駆け寄り、その肩を抱く。


 「……。大丈夫!? 怪我はない!?」


 「……。う、うん。……。ありがとう、お兄ちゃん」


 少女に怪我がないことを確認し、ハヤトは安堵の息を漏らした。

 だが、倒したはずの魔物が再び黒い泥へと溶け、

 ……。不気味な音を立てて王宮の方角へと逆流していく。


 「レオンさん! ……。

 ……。この泥、王宮の方からどんどん流れてきてます!」


 (……。王宮の地下が、すでに飽和状態にあるということか。……。

 ……。悠長に隠密などしている時間は、もう残されていないようだな)

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