第65話
迷うと言うほど迷いはせず、無事に十四階層に降りる階段を発見。十三階層の道中では、挟み撃ちには会ったが地力によるごり押しが通用したので、俺のランクが☆6と言うのは案外凄いのかも知れない。
十四階層は十三階層と同じく人工迷路の洞・・・いや地下通路と言った感じか。右手には牢獄のような部屋が三部屋並んでおり、通路の左上部には蝋燭が備え付けられて周辺を明るく照らしていた。
道なりに進むと十字路になっており、左右に伸びる通路は特に変化のない通路で、問題は真ん中の通路。赤いカーペットが敷かれていて、如何にもこの先に何かありますよ?的な演出がされていた。
真ん中は一旦保留して、とりあえずは右側から探索開始だ。
道なりに進むと突き当り、そこを左へ曲がった。そしてまたもや直進後の突き当りを左折。長めの距離を歩くとまたまた左折。そして少し歩き最後に左折した時に思う。
「一周している気がするが・・・」
予想はしていたが、案の定前方に赤いカーペットが見えてきた。
「・・・意味があるのか?」
仕方なく、赤いカーペットへ進む。ついでに嫌な予感もしてきた。
数分歩いた所で正面に階段が現れた。この階段は、階層間を結ぶ階段ではなく、地下から上階に向かう階段の様にみえる。その階段の先に扉が有り、どうしてもあの扉の先から嫌な予感がしてくる。
しかし結局はその扉を開ける以外の選択肢がなく、行かなければならない。足取りは重いが、階段を昇り切り仕方なく扉を開けた。
少し開けた扉から中を覗くと、見てはいけない物が見えた。自分の目を疑いたくなる程に絶対におかしい。扉の中には・・・・・・・・・ホブゴブリンが五体いた。
俺は、一旦扉を閉めて心を落ち着かせる。
「ふぅ、何かの間違いと思いたい」
心の声が漏れてくる。
この様子だと、この扉の先はボス部屋と呼ばれるものだろう。だとすると、この十四階層はボスのみの階層であり、このボスを倒さないと十五階層に進めない仕様となっている可能性大だ。
しかしホブゴブリン五体はないだろ。五体は。他の探索者は、この五体ものホブゴブリンを倒したのか?本当に倒せたのか?疑問に頭を悩ませていた時に思い出す。思い出してしまった。
「琴音さんか・・・・・」
原因はこれしかない。
七階層で出会った時のホブゴブリンは確かに強敵だった。それが五体もいると言う事は、琴音さんが『ホブゴブリン一体じゃ物足りないでしょ?』と、言ってる気がする。俺達に楽しめと言った割に、琴音さんが一番楽しんでるだろ。いくら俺が成長しているからといっても、五体同時はキツいぞ?
一旦団欒部屋に入り準備をする。対策って程じゃないが、やらないよりマシな準備をする。そして、準備を終えた俺は扉を開けて中に入っていった。




