第41話
「行くぞ~準備は良いか~」
各々が装備を纏い準備が完了したので出発だ。
とここで一つの検証をしておきたい。それは、団欒部屋の扉の小窓と外からどう見えているか。
詩織が一旦外に出てその場で待機していると約三十秒程で扉が薄くなり消えてなくなり、その後俺が扉に触れるまで扉がそこに存在していなかったらしい。そして小窓の方は詩織からは室内を覗き見る事は出来ず、こちらからは詩織を視界に捉えていて視認も視角も良好なだけで、特別な効果は無さそうなので覗き窓みたいなものだろうか。最後に外から扉の耐久を試してみると音も衝撃もなく全く問題ない事が分かった。
以上の検証を終えた俺達は、八階層に向けて道中の魔物を適度に倒しながら進んで行き十数分程で階段が見えてきた。早速階段を降りていき八階層に到着した俺達は足早に九階層へと目指した。しかし案の定接敵する影が見て取れると、自然と各自が戦闘態勢に入った。
「いや、俺一人で戦ってみたい」
某RPGゲームのようなレベルシステムが無いとは言え、自身でも今までの戦闘経験から強くなった感はある。特にホブゴブリンを倒してから妙に力が湧いてきているのが分かる。
そして俺は一歩前へと出た。
まだ距離はあるが四階層で出会った猪と違いこちらは成体の猪みたいだ。
不思議と脅威とは感じられずいたって冷静な俺は獲物であるスコップを背後に終うと右手に装着しているバイク用グローブをグッと握りしめた所で、ふと昔のアニメのセリフを思い出す。
”当たらなければどうということはない”
このセリフは某ロボットアニメに出てくるアズなブルさんの言葉で、威力の高い攻撃は当たれば効果はあるが、当たらなければ問題ないと部下に言った言葉だ。特に性格が猪突猛進だと直線的な攻撃の為、軌道予測をしやすい。回避後にカウンターだって狙えそうである。
俺は半身に構え相手の動きをジッと見て間合いをはかる。猪突猛進・・俺の好きな熟語の一つだが、時に戦いにおいては弱点にもなるのだよ。と、そう伝えてやりたいが相手は猪の魔物の為伝わるはずもなくこの拳で分からせてやる。そして猪の突進が俺に当たる寸前に右に躱し攻撃の動作に入る。
猪の横っ面を捉えた拳は鈍い音と共にめり込み猪を吹き飛ばす。突進の慣性もあり、中々の勢いのまま何度もバウンドし動きを止めた。
「嘘・・今のは凄いわ」
「今の動き見えなかったわよ・・」
「宗ちゃんカッコイイ!」
右掌を開いたり閉じたりをして感触を確かめるが拳の痛みはない。ヨシッ、間違いなく強くなってる。
「だろ?ホブゴブリンを倒してから妙に力が湧いてきいてるんだよ」
「まさかレベルが有るって事なの?」
「いや、たぶんそれは無いと思う。ホブゴブリンを倒してすぐに力が湧いてきたと言うより、徐々にって感じだな」
「じゃぁ私達・・も?」
「さぁ、どうだろうな。ランクが上がってたら可能性は有るんじゃないか?」
それぞれがステータス画面を開いていく。
国籍:日本国
名前:武田宗一郎
ランク:☆4
スキル:一家団欒『四次元に部屋を作成(ランク依存)』
国籍:日本国
名前:武田美晴
ランク:☆3
スキル:鉄拳制裁『仲間が攻撃されると能力+5%』
国籍:日本国
名前:武田詩織
ランク:☆3
スキル:暴飲暴食『どれだけ食べても太らない。食材による能力UP』
国籍:日本国
名前:毛利彩乃
ランク:☆3
スキル:戮力協心『魔物に与えるダメージ+二%×共闘者』




