第34話
俺達は森の縁をなぞるように移動している。
最後尾に俺が歩き、彼女達三人が前を歩いている。
何故このようになったのかを簡単に言うと、ゴブリン討伐後に彼女達が『次は私達がやる』と言い出した為、このような布陣になった。
貴方達はアマゾネスですか?
しかしやる気をだしたのは良い事なんだろうけど、他の探索者に見られたりしたら【女性に守られているオッサン】に見えてしまうので悩ましい。
彼女達はそれぞれの獲物を持っている。
妻の美晴が、鉄心入り木刀。
需要は未だに分からない。
長女の彩乃が金属バットに、左腰にペティナイフ(ケース付き)。
果物の皮でも剥いてくれるのかな?
最後に次女の詩織は、左腕に俺と同じシールドと右手には強力なスタンガン。
外国製のスタンガンらしいが殺傷能力は余り無いらしい。
彼女達を先頭に進んでいると森の中から話し声が聞こえてくる。
グギャギャ!
グギギギ!
この声はゴブリンか?
さっきの奴と似たような声質だ。
あ、いた。数は二匹。ここから二十メートル先にいた。
「パパ、誘き出して」
彼女達もゴブリンに気が付いたようで、森の縁から少し離れ身構えた。
ガンガン!
ガンガン!
スコップでシールドを叩き音を鳴らして注意を惹くとゴブリン達も気づいたようで、こちらに向き直り走り始めた。釣れたようだ。
「パパは下がってて。私達でやるわ」
おぉ、心強いお言葉だ。覚悟はあるようだな。
そして俺は彼女達の後ろに回り込み様子を伺う。
ゴブリンの数は二匹だが武器となるものは持っていなさそうだった。
ゴブリンの特徴として身長は高くないが腕が少し長い。
なので身体的リーチは少しだけゴブリンが有利そうだが、彼女達には獲物が有り、トータル的に彼女達の方が圧倒的有利であろう。
ゴブリンの一体が詩織に殴りかかるが、シールドでいなす。
おぉ上手い。シールドを少し斜め傾け威力を受け流している。俺より上手いのでは?
そして攻撃を受け流されバランスを崩したゴブリンに、少し下がっていた待っていた美晴は走りだし、右手一本で木刀を振りかぶった勢いを乗せた一撃をゴブリンに叩きつけた。
グシャ!!!
周囲に肉片が飛び散り、その威力の高さを物語る。
そして彩乃方を見やるとゴブリンと戯れていた。
ゴブリンが掴みかかろうとするとバットの先端で小突き、殴りかかろうとするとバットで腕を弾くを繰り返していた。
彩乃はこちらの戦闘が終わって落ち着いた所をを見計らい、バットの先端でゴブリンを小突いてバランスを崩した後一回転して威力を上げた攻撃をゴブリンの頭部へクリーンヒットさせた。
グシャッ!
ゴブリンの体重が軽いからなのか威力が高いからなのか分からないが、フルスイングで攻撃されたゴブリンは吹き飛び転がっていった。その吹き飛んだゴブリンを見やると頭部はもげてはないが、あらぬ方向を向いていた。
そんな光景を見ていた俺は、女性陣達の戦闘力の高さに俺のナニが縮みあがったのは言うまでもない。




