第33話
グ?・・グギギ!
俺達に気づいたゴブリンは俺達を獲物と判断したのか、手に持った獲物を振り上げ走りだした。
振り上げたまま走るって、それ走りにくくないか?
と、呑気な思考が出来るあたり、俺は落ち着いているのだろう。
獲物を持った右手を振り上げたままこちらに走り寄るゴブリンに対し、俺はシールドを前にし態勢を整えた。
そして接敵する。
『ガン!』
クッ!
思ってたより衝撃が強い!
漫画だと簡単にガードしているように見えるのに、普通に腕にダメージあるじゃねえかよ!
俺はもう一度シールドを前にして相手を見る。
このシールドは、透明樹脂製なのでシールド越しからでも相手が見える。本当に良いなこれ。
もう一度ゴブリンの攻撃をうけたい。
何かこう・・今は説明するのは難しいが、シールドが耐衝撃性であってもまともに攻撃を受けてはダメだ。インパクト時に衝撃を逃がすようにしないといけない。ましてやゴブリンの獲物は棍棒と呼ばれる打撃武器なのだから。
「さぁこいよゴブリン。お前の攻撃は効いてねえぞ」
やせ我慢だ。効いてない訳がない。こちとら素人に産毛が生えた程度の実力しかない一般ピーポー。だが、学習する脳みそ位は持ってんだよ!
ゴブリンが言葉を理解しているか知らないが一歩下がり、勢いをつけてもう一度棍棒を振り上げて攻撃を開始する。
よし、よく見ろよ。インパクトに合わせろ!
『ガン』
前回の音より軽い。よっし上手くいった。
俺はインパクトに合わせてシールドを少しだけ斜めに傾け攻撃を受けた事で衝撃を緩和させる事に成功する。
そしてすぐさま右手に持ったスコップを、態勢が崩れた状態のゴブリン目掛けて横に薙ぎ払いゴブリンの胴部分にヒットし貫通した。そう、貫通した。
うぉっ!?
まさか胴体を貫通させゴブリンを真っ二つに出来るとは思っていなかった俺は、スコップを振り切った左側へと態勢を崩した。
「ヒュー♪パパやるぅ」
「宗ちゃんかっこいい!」
「パパって意外とやるじゃない」
態勢を崩したが、なんとか踏みとどまり転げる事は阻止した。
そして、真っ二つにしたゴブリンを見ると黒い霧となり消散していった。
「さっきのシールドの使い方は良かったんじゃない?ゴブリンが態勢を崩してたし」
「だろ?あれは釘打ちみたいなもんさ。真っすぐ打てば釘は入るけど、斜めに打つと釘は入らないだろ?って事は力の方向がズレたからだ。まぁ上手くいって良かったよ」
三人は何言ってるの?みたいな顔でこちらを見ている。
やっぱ俺って説明下手?
分かっているよ。会社内でもズレてるってたまに言われてんだ。
しょうがねぇじゃん学がないんだからぁぁぁぁぁ!




