第31話
「「ただいま~」」
俺達は帰宅した。
地上に戻った時には自衛隊員の姿は無く、ダンジョンに潜ったのだろうと思う。特に自衛隊に用事がある訳でもないのでいいのだが、出来れば違うダンジョンにでもいってもらいたい。流れ弾は怖いからな。
「そう言えば、俺達が潜る時に自衛隊がいたぞ」
「そうそう。迷彩服だったからすぐにわかったよね」
紫織が作ってくれていた料理を口に運びながら、紫織にダンジョン協会であった事を伝えた。
「ふ~ん・・・なら、少し警戒した方が良いかも」
と言って紫織の話によると、自衛隊がこんな田舎の過疎ダンジョンに現れるのは珍しく【怪しい人】がいたりすると来るらしい。
・・・それって俺の事か?ま、まぁ確かに大量の荷物を何度も搬入してたら怪しまれるよな?
こんな田舎に自衛隊が来る理由としては、日本国内ダンジョンでのドロップ品の把握。
素材のドロップ品は殆どの人が受付で売却しているのでこれはいい。ダンジョン協会側が把握しているのだから、特に自衛隊が出しゃばる案件ではないだろう。
問題なのはスキルリングのドロップ品。
自国ダンジョン産のスキルリングのドロップ情報。これは世界で見てもスキルリングは希少なのだから当たり前の話。問題はその先。
未知のスキルの可能性の有るスキルリングは、性能を知られたくないと言う理由で売却せずにそのまま持って帰る人が多い。なので、偶然を装って偵察をしようって訳だ。
って、それ俺じゃね?
そー言えば指にリング嵌めたままダンジョンを出入りしてたわ。
犯人は俺って事ね・・・
「へ~自衛隊ってそんな活動してるんだ。暇な人達だね」
「あくまでも聞いた話だからね。それと自衛隊といってもダンジョン専門の部署だし、それも仕事の内なんでしょ」
「大量の荷物の搬入に未登録スキルリングの所持。俺ってめちゃくちゃ怪しい奴に見えたんだろうな。まっ、とりあえず当分は普通にしておくよ」
今は怪しまれない程度にダンジョンに潜るのがいいだろう。
政府側に睨まれているのも嫌だし。
あれから自衛隊は見ていない。なので正月休みに入るまでは仕事帰りと休日に美晴と共に怪しまれない程度潜り続けていた。そして俺達武田家全員が正月休みに入ったタイミングで、新たにダンジョン攻略に進む事となった。
「パパ、それいいじゃん!私達の分も有るんだよね」
今日は十二月二十九日。皆が休みに入ったのでダンジョン探索に行こうって事で集まっている。
そして、俺がネットで購入した簡易ヘルメットを見て彩乃が催促してきた。
「ああ勿論だ。帽子の内側にセットすれば恰好は悪くないだろ?」
この簡易ヘルメットは安全ヘルメットより強度は低くなってしまうが、帽子の内側にセットすれば普通の帽子に見える物だ。
そして妻の美晴用にと購入した鉄心入りの木刀。いったい何処に需要があるんだ?と疑問に思う様なものが売ってあったので購入しておいた。
最後にインナープロテクターを人数分揃えており、それぞれが服の下に着込み用意が完了していく。
「さぁ行くか!ダンジョンに!」




