第29話
「ここでいいか」
相変わらずの寝てるだけの魔物を倒しながら奥へと進み、二階層へおりる階段を横目にさらに奥へと進んだ俺達は、一家団欒部屋の扉を出現させ中に入った。
「スラちゃん、ただいま。おりこうにしてたかなぁ~」
部屋の中は荒らされた様子もなく、おとなしくしていてくれたようだ。俺はホッと胸を撫で下ろす。
そりゃ俺達がいない間に食い荒らされてたりしてたら、たまったもんじゃないからな。
美晴がテキパキと寝床や食事の用意をしていく。
そしてすべてが終わりスライムの前に餌と言う名の果物を置いた。
「スラちゃん待てだよ~」
しっかり躾されたペットだな。相変わらず待てが出来ている。
「よし!スラちゃん食べて良いよ~」
さぁて、美晴がスライムに餌を与えている間にこちらもやる事やっておくか。
追加で持ってきたインスタント食品やカセットコンロのボンベ等を、スチールラックに収納していく。
その際スチールラックの隣のごみ袋を見てふと思う。このゴミ食べてくれないか?
ちらりと見てみると、果物を食べ終えたスライムは美晴の膝の上で頭を撫でられ満足そう?だ。・・・表情が見えないから分からないが、そう思えた。
そして、ごみ袋からゴミを一つ取り出しスライムにあげることにした。
「これ食べないか?」
「宗ちゃん、それゴミだよ?」
分かっている、分かっているさ。これは実験なんだ。もし、ゴミを食べてくれるなら持ち帰る必要がなくなるんだぞ。
美晴が俺からゴミを受け取りスライムの前に置いた所、スライムはノソノソと前進しゴミを補食した。
ゴミを補食したスライムに美晴はスライムの頭を撫でながら『大丈夫?不味くない?』と問いかけると、スライムはフルフルと身体を震わせ大丈夫だとアピールする。・・・いや、しているように見えた。
「スラちゃん、偉いね~」
あ~家に連れて帰れたら、ゴミ出ししなくて済むんだけどな~。
美晴の癒しを堪能出来た事だし、そろそろ帰るとするかな。
「美晴~帰るぞ~」
「は~い。スラちゃんまたね」
美晴が手を振るとスライムもフルフルと身体を震わせ、手を振っているように見えた。
いかん・・見えてはいけないものが見えてきたようだ。
団欒部屋の扉を開け顔だけを外に出し、周りを見回す。誰も居ないみたいだな。
この団欒部屋の欠点の一つに、団欒部屋から外の状況が分からないといったものがある。
もし近くに誰かが居たりすると、突然現れた俺達が何かスキルを使ったのでは?と疑われる可能性があり追及されるのも嫌なので、極力バレないようにはしたい。
なので、人気のない所で部屋に入る事にしている。




