宰相からの呼び出し
とりあえず最近は定期的に更新出来ている気がします。
どれだけの期間、このペースで上げれるかはわかりませんが頑張りたいと思います。
たくさんの読者の皆様に読んでいただけますと、モチベーションもかなり上がりますのでよろしくお願いします。
朝、僕らは玄関に集まっていた。
後はオズ先生を待つのみである。
オズ先生を待っていると奥の廊下から二人の人影が見えた。 ひとりはサラーネさん。
そして、もう一人はマークウェル公爵家の現当主でありこの国の宰相でもあるバクストンさんである。
宰相とは昨日、街から帰ってきた時に久しぶりに会った。
学園に入学するようにという国王陛下からの言葉を伝えにきた時に会って以来だった。
その後は夕食は別々で食べたのでしっかり会話をする事はなかったのだが夕食後に部屋でくつろいでいると、執事のブルトンさんが宰相が執務室に来てほしいとおっしゃっていると聞き、僕はブルトンさんに付いて執務室に向かった。
部屋の前に着くと、ブルトンさんは扉をノックして『トーラス様をお連れいたしました』と言った。
すると、中から『どうぞお入りください』という言葉が聞こえた。
中に入ると、僕はブルトンさんに導かれるままにソファーに腰を下ろした。
「何のご用でしょうか?」
「トーラス様、お疲れの所、申し訳ございません。本日お呼びしたのはトーラス様にいくつかお聞きしたい事がございました」
聞きたい事って何だろう?しかも様付け!多分今の僕はロンベスター子爵家子息ではなく、ジルベスター王国第三王子として宰相に扱われているのだろう。
「聞きたい事とは何でしょうか?」
「いくつかあるのですが、そうですね……まずは学園に入学されて約一年半くらい経ちますが、学園生活はどうですか?」
この質問、やはり国王陛下からの要望なのかな?
「素晴らしい友達に恵まれて本当に楽しい学園生活を遅れています」
質問に答えると、宰相は紙に何かを書いていた。
「それは何よりです。続きましてトーラス様は生徒会に所属されておりますが、生徒会の活動はどうでしょうか?」
「生徒会メンバーの先輩方は一部を除いてとても尊敬している方々ばかりで日々刺激を受けて充実した活動をおくれています。前生徒会長でもあるノアールお姉様の事は特に尊敬しています。実際のところ、ノアールお姉様が本当の姉であって本当に嬉しいです」
もちろん一部とはクライブ先輩、メルクリオ先輩である。
「そうですか。ノアール様の事はわかりました。クライブ様とメルクリオ様の事はどう思われますか?」
単刀直入に来たなぁ~。
この質問にはどういう風に返したらいいかな。
素直に感想を述べるのか。
オブラートに包んで述べるべきなのか。
どうしようかな~
率直に言うと僕は二人に失望している。
二人が実の兄でありこの国の王子だということに残念な気持ちでならないのだ。
「素直な気持ちを述べると、あの二人には失望の気持ちでいっぱいです。」
「どのような所がですか?」
「まずはメルクリオ先輩ですが、クライブ先輩よりはまともだとは思います。実力で生徒会メンバーに選ばれましたし、やる気がないだけですから。それでも僕はそれが問題だと思います。生徒会室では本を読んでばかりで一切活動に参加しようとしません。何か提案をするわけではなく、生徒会メンバーと交流するわけでもありません。先輩から聞きましたが、クラスでも同じような感じだとか。宰相はそれってどう思われますか? 駄目ですよね。メルクリオ様はこの国の第二王子なのですから。将来は必ず国の重要な立場につくのは決まっているようなものなのですから。しっかりと他の人達と交流をもって人脈作りもしていかないと!」
「なるほど。それではクライブ様はどうでしょうか?」
「クライブ先輩は更にひどいですね。自分より下の者を見下すあの性格。そして、派閥の貴族の子息・令嬢を駒のように無理やり従わせたり、僕はクライブ様が将来、この国の国王になるかもしれないと考えるだけでゾッとします。生徒会メンバーに無理やりなっておきながら武術大会で負けたくらいで活動を放棄する。もうどうしようもないですよ。」
「なるほど。貴重な意見ありがとうございます」
貴重な意見? ふざけないでほしい! 今僕が言った事を宰相が知らないはずがないんだ!
「無礼を承知を言わせていただきます。今、僕が言った事は宰相や国王陛下は知ってますよね? それなのにあの二人をどうにかしようとされない! それはなぜですか?」
「……」
結局、僕の質問に宰相が答えてくれる事がなかった。
「最後の質問です。トーラス様はこの国の未来についてどうお考えですか?」
僕の口から何が聞きたいのだろうか? 訳がわからない。
「僕はただ戦争など起こらず平和で国民全てが幸せに暮らしていける国を作る手助けを少しでも出来ればいいと思っているだけです。僕はそのために学園で学んでいるのですから!」
「なるほど!わかりました」
宰相は今日一番の驚いた顔を見せた。
僕、そんなに驚くような事を言ったかな?
普通の事を言っただけなんだけど……
「それでは僕は失礼しますね」
「最後に一つよろしいですか?」
「何でしょうか?」
「カルロスの事です。カルロスと友達になっていただきありがとうございます。カルロスの祖父として感謝いたします」
「僕こそカルロスと友達になれて良かったですよ。その機会を作ってくれた宰相には感謝ですね」
「滅相もないです」
こうして宰相の質問(尋問じゃないかな?)が終わった。
少しクライブ先輩とメルクリオ先輩に対しては言い過ぎた感じはあるけど、後悔はない。
あの二人が少しでもマトモになってくれるための糸口になってくれるなら。
本当に僕は悔しい。
この国の継承権が男子のみということに!
ノアールお姉さまほどに国王に相応しい人はいないのに……
以上が昨日の夜に起こった事である。
その後、オズ先生も玄関に来られて、僕らは宰相とサラーネさんに見送られ、鉱山に向けて出発した。
トーラスは自分自身が国王になる可能性を一ミリも考えていません。
逆にどうしたらノアールお姉様が即位出来るのかを考えているくらいです。




