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7人の護衛

 長期休みの初日を迎えた。

 昨日の夜はワクワクで眠りにつくのが遅かったけど、いつも通りの時間に目を覚ました。


 身支度を済ませ僕はフロース・リネットと共に集合場所である学園の正門に向かった。

 正門に着くと、リディアナとロイスとアンジェリカが来ていた。

 少しお喋りをしながら待っていると、カルロス、イザベル、アレックスがやってきた。


「これで皆揃っわね。それでは出発するわよ! と言いたい所だけど、まずはこの旅で護衛を務めてくれる人達に自己紹介をしてもらいたいと思います。最初はリーザお願い!」


 旅をするにあたり、皆で話し合ってリーダーを決める事になった。

 本人以外満場一致でアンジェリカに決まった。

 アンジェリカはすごくびっくりしていたけど、アンジェリカほどリーダーにふさわしい人はいないと思う。

 普段から僕らのグループの纏め役だし適任だ。


 そして、今回の旅には一人につき一名護衛が付くことになった。

 これに関しては宰相の指示である。

 カルロスが家に連絡を取った際に必ずそうするようにという指示があった。

 僕らはまだ学生だから当然といえば当然である。

 僕ら7人。護衛7人。総勢14名の旅になった。


「アンジェリカお嬢様の護衛をしておりますリーザと申します。皆様にはいつもお嬢様がお世話になっております。他の護衛の皆様と協力して危険が及ぶことがないようにして参りますので、存分に旅をお楽しみください。よろしくお願いいたします」


 アンジェリカによるとリーザさんは小さい頃からずっと一緒に育ったお姉さんのような存在らしい。


「続いてロベールさんお願いします」


「カルロス様の護衛をしておりますロベールと申します。皆様のおかげで本当にカルロス様は明るくなられました。ありがとうございます。公爵家では執事を務めておりますので、わからない事などございましたらお気軽におっしゃってください。よろしくお願いいたします」


 カルロスいわく、公爵家の執事を務めているだけあって全てにおいて能力が高いらしい。

 怒ったら怖いから気をつけて欲しいとの事です。


「続いてフレイヤさんお願いします。」


「イザベルお嬢様の護衛をしておりますフレイヤと申します。皆様のおかげでお嬢様は良い方向に変わる事が出来ました。感謝してもしきれません。旦那様・奥様も大変喜ばれておりまして、皆様の到着を楽しみにしておられます。皆様の健やかな旅のために全身全霊で務めてまいります。よろしくお願いいたします」


 イザベルによると、フレイヤさんは過去に諜報員として隣国に潜入していた事があるらしい。

 なので偵察・尾行・暗殺が得意らしい。

 最後の一つは聞かなかった事にしよう。


「続いてゴードンさんお願いします」


「アレックス様の護衛をしておりますゴードンと申します。皆様の事はアレックス様からたくさん聞いております。アレックス様は本当に皆様の事が大好きですので、末永くよろしくお願いします。私は見た目通り、力は人一倍ありますので、何かご用があればすぐにおっしゃってください。よろしくお願いいたします」


 アレックスによると、ゴードンさんは昔、傭兵として各地の戦場を巡っていたらしい。

 アレックスのお父さんが実力に惚れ込み、是非ともアレックスの

 護衛をしてほしいと頼み込んだらしい。

 アレックスのお父さんは将軍だからゴードンさんは相当な実力者なのだろう。


「続いてフィオーネさんお願いします」


「リディアナ様の護衛を務めておりますフィオーネと申します。皆様のおかげでリディアナ様はとても素晴らしい学園生活を送られております。少しでも皆様の役に立つように頑張らせていただきますので、よろしくお願いいたします」


 フィオーネさんとは学園に入学してリディアナと街に買い物に出掛けた時に会っている。

 リディアナによると、実力は王宮の近衛隊から声がかかる程らしい。

 しかし、断りリディアナの護衛を続けている。

 何でもリディアナのお父さんとマアサに昔、助けてもらったらしい。

 詳しい事はリディアナも知らないみたいだ。

 少し気になるなぁ。


「続いてフロースさんお願いします」


「トーラス様の護衛をしておりますフロースと

申します。皆様のおかげでトーラス様は日々笑顔で学園生活を謳歌されております。まだまだ若輩者ではありますが、よろしくお願いいたします」


「続いてリネットさんお願いします」


「トーラス様の侍女を務めておりますリネットと申します。今回の旅ではロイス様の護衛を務めさせていただきます。皆様の身の回りのお世話もさせていてだきますのでよろしくお願いいたします」


 僕の所からなぜ二人共旅に同行するかというと、一つはリネットが言った通り、ロイスの護衛をするため一人足りなかったからだ。

 二つ目は断固として二人が僕の側を離れる訳にはいかないと言ったからだ。

 それを聞いて僕はすごく嬉しかったのは二人には内緒です。

 そんな感じで護衛を務める7人の自己紹介が終わった。


「一応、一人に一名の護衛が付くことにはなるけど、四六時中一緒にいたら意味が無いから護衛の皆さんには臨機応変にお願いしています。これだけの完璧な布陣で旅を楽しめる私達は最高に幸せ者よ! 全力で楽しみ抜きましょうね! それじゃあ馬車に乗りましょう。まずはロイスの実家に向かいましょう」


 馬車は二台使うことになった。

 誰がどの馬車に乗るかは固定ではなく新しい街に着く度に交代していくスタイルになった。

 御者としてフロースとロベールさん。

 馬車の中のお世話係にリネットとリーザさん。

 残りのゴードンさん、フレイヤさん、フィオーネさんが騎馬で馬車を護衛するという布陣である。


 一応、行程通りに進めば、夜は各地の宿屋に泊まる事になっているけど、もしものために食料や調理道具なども積んでいる。

 夜営はそれはそれで楽しそうだけど、流石に何が起こるかわからないので許可が降りなかった。


 とりあえずロイスの実家に着くまでは男子チームと女子チームが別れて馬車に乗る事になった。

 ロイスの実家は王都の東側にあるらしい。

 王都だけあってかなりの大きさだ。

 普段通っている学園が王都の南側だから馬車でも少し時間がかかる。

 ロイスの実家は宿屋兼食堂を営んでいるそうた。

 馬車の中で楽しく話をしていると、あっという間にロイスの実家に到着した。


「皆の実家に比べたらとても小さくて申し訳ないないけど、どうぞ!」


 中に入ると、いらっしゃいませ! と明るい声が出迎えてくれた。


「ロイスおかえりなさい。その子達がロイスのお友達かい?」

「そうだよ。母さん、父さん、ただいま!」

「ロイスが学園でお世話になっている。私がロイスの父親のベンツだ。こっちが母親のコロナだ。よろしく頼む」

「はじめまして! 私はアンジェリカです。横からリディアナ、トーラス、アレックス、カルロス、イザベルです。この度は無理を言ってお邪魔させていただきすみません」

「気にしないでください。私はあなた達に本当に感謝しています。貴族が多く通う学園にロイスが通う事になって私達はとても心配していました。友達はちゃんと出来るのか。いじめられたりしないのかととても不安でした。ロイスから聞きました。あなた達は皆、貴族の子息・令嬢だと。しかし、ロイスの事を平民だと蔑む事なく、友達として仲良くしてくれていると。学園に通い始めてから初めて家に帰って来たロイスからその話を聞いて、本当に安心しました。これからも仲良くしてやってください! 本当に私達の息子とは思えないくらい優秀でそして、本当に優しい子なんです」


 僕らは各々、返事を返した。


「もういいから。お父さん、僕らまだ朝ごはんを食べてないんだ。今から何か作れる?」

「任せときな! 最高に美味しい飯を食わせてやるよ!」


 僕らは奥にある食堂の方に移動して朝ごはんをいただく事になった。


 結論からいうと、ものすごく美味しかった。

 それはもうびっくりするくらい

 僕らは普段から美味しい物を食べている自覚はあったけど、ロイスのお父さんの料理はそれに勝るとも劣らないレベルだった。

 ベンツさんによると、昔、王宮の宮廷料理人をやっていた事があるとの事だった。

 それを聞いてすごく納得出来た。

 なので、お昼時になると、食堂には美味しい料理を求めてたくさんの人がやってくるそうだ。


 食後少しのんびりしていると、コロナさんが慌ててベンツさんの所にやってきた。


「大変よ。ネルソンとラヴィが体調を崩して今日は仕事に来れないみたいなの。ラーニャとユウノも今日は用事があるって言ってたし、どうしたものかしら?」


 何やら緊急事態発生のようだ。



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