卒業式
あれから卒業式まであっという間だった。
生徒会メンバーとして、卒業式の準備は本当に大変だった。
そして、本日、無事に卒業式はとりおこなわれた。
僕も生徒会メンバーとして、参加させてもらった。
前世では卒業式というものに縁が無かったのでとても新鮮だった。
卒業式が終わり、僕達、生徒会メンバーは生徒会室に戻った。
後でシャルロッテお姉様とテオドール先輩が生徒会室に来てくれる事になっている。
今は二人とも、後輩の生徒達に囲まれて対応している。
特にシャルロッテ先輩の人気は本当に凄かった。会場から出ると、瞬間に群がる人・人・人。
シャルロッテ先輩の前にはすごく長い烈が出来ていた。花を渡す人、ボタンをください! と言う人、中には話ながら泣き崩れる人もいた。
「皆、お疲れ様! 皆の頑張りで無事に卒業式を行う事が出来ました。明日から一週間、学園は休みだからゆっくり休んでね」
明日から休みに入る。
この世界の暦は前世と同じように十二の月から構成されている。一ヶ月が30日で一年は360日だ。
前世と少し違うのは学園の入学のタイミングだろう。
前世では入学が四月、卒業が三月だけど、今世では、入学が一 月、卒業式が十二月だ。
つまり、何が言いたいかと言うと、もうすぐこの国は年の瀬を迎えるということだ。
今回の休みは年末から年始にかけての休みになる。国中がお祝いムードになる。
王都もいつにも増して賑やかな雰囲気になるみたいだ。
学園の生徒は年越しは学園で過ごすが、中には友達同士で街に出掛けたりすることも許可されている。
僕も年越しは皆と街に行く事を約束している。今からすごく楽しみだ。
そういえば、さっきからクライブ先輩とメルクリオ先輩の姿を見ないな。
どこに行ったんだろう?
今回は珍しく二人とも、ちゃんと働いていたのに。
「ノアールお姉様、クライブ先輩とメルクリオ先輩の姿が見えないんですが、どこに行ったんですかね?」
「多分、怖くて、逃げたんじゃないかしら。もうすぐ、シャルロッテお姉様とテオドール先輩が来るから」
「なるほど。でも、今回はお二人も頑張っていたので胸を張っていればいいと思うのですが」
「まぁ、そうなんだけどね。それでも会いたくないんでしょ。それより、私は唯一の抑止力のお二人が卒業して、来年から二人が心配だわ。また、元に戻らないかが」
「本当ですよ。今年は武術大会以降、シャルロッテお姉様とテオドール先輩のお陰でクライブの奴が大人しかったから、私はクラスで楽させてもらいましたし、また、元の状態に戻るかと思うと最悪ですね。サラーナもそうでしょ?」
「私はそうでもないです。クラスでは関わりないですし、生徒会では、先輩方や後輩達が助けてくださいますから」
サラーナ先輩は二学年の生徒代表の仕事を二人分、こなしているのに、文句一つ言わないなんて本当に良い人だなぁ。
「来年はアルバートがクライブの奴をボコボコにしてよね。立ち直れないくらいに」
「愛するルミエールのために頑張るよ!」
ルミエールお姉様はアルバート先輩の愛するの言葉に反応して、顔を真っ赤にした。
今回は完全に自爆だ。
そんなこんなで話をしていると、シャルロッテお姉様とテオドール先輩が生徒会室にやってきた。
「皆、お待たせ! 子猫ちゃん達が離してくれなくてね」
手には沢山の花束を持ち、制服のボタンは必要最低限を残し無くなっていた。
「素晴らしい卒業式をありがとう! 来年からも頑張ってくれ!」
テオドール先輩も花束を沢山、持っていたが、制服のボタンはそのままだった。
花束は一旦、僕らが預り、お二人は座ってもらい、僕らも用意していた花束を渡した。
「ルミエールお姉様、卒業おめでとうございます!」
「ありがとう、リディアナちゃん」
「テオドール先輩、卒業おめでとうございます!」
「ありがとう、トーラス君。君達はとても優秀だと聞いているよ。これからも沢山の事を経験して、成長して欲しい。期待しているよ」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
その後は、沢山の話をした。
テオドール先輩は卒業後、王宮で文官として働かれるそうだ。
ノアールお姉様が言うに、テオドール先輩の優秀さ故に王宮の部署同士で争奪戦が繰り広げられたらしい。
結局、最後はテオドール先輩の意思を尊重されたみたいだ。
何と、国王陛下の執務補佐官だそうだ。
卒業してその職に着任するのは、異例中の異例らしくテオドール先輩の凄さを改めて実感させられた。
シャルロッテお姉様は軍に入隊される。
シャルロッテお姉様もテオドール先輩と同様にいろんな部署から引っ張りだこだったらしいけど、近衛隊を選ばれたそうだ。
近衛隊を選んだ理由がノアールお姉様が学園を卒業した後に専属武官になりたいからだと笑顔で言っていた。
ノアールお姉様は何、バカな事を言っているんですか! と言ったが、顔はすごく嬉しそうだった。
そして、二人は笑顔で学園を去っていった。
短い間だったけど、すごくインパクトのあるお二人だった。
いつになるかわからないけど、次、再会した時に成長した自分を見せられるように努力しようと心に誓った。
明日からの休みが終われば、二学年に進級だ。
過去話の学園の夏期休暇だった所を長期休暇に変更しました。
今回の話でこの世界の暦に関する説明を入れたのでおかしいかなぁと思いましたので。
全部、修正出来てないかもしれませんが、スルーでお願いします。




