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決着からの告白

 試合が始まった。

 アルバート先輩と対峙して、自分がワクワクしているのが、わかる。

 近くで見て思ったのは、やはり、アルバート先輩の構えは昔、よく手合わせしてもらったウィル先生、そのものだった。

 序盤はお互いに様子見をしながらの闘いになった。

 というよりも、アルバート先輩がなかなか、隙を見せてくれないから手を出しにくかったんだ。

 僕はどうにかして、糸口を探ろうと、足を使ってアルバート先輩を揺さぶってみる。

 しかし、アルバート先輩は僕の速さにもしっかり対応してきた。

 僕はどうしたものかと考えていると、観客席から声がした。


「トーラス、いろいろ考えすぎだ。もっと自由に攻めろ。試合を楽しめよ!」


 この声はアレックスだ。良かった。来てくれたんだな。

 僕はいろいろ、頭の中で考えていた事を一旦、忘れる事にした。

 アレックスの言うとおりだな。まずは、試合を楽しまないと!


「いい友達をもっているね」

「はい。良き友であり良きライバルでもあります。アレックスがいたから僕は今、この決勝戦という舞台に立っています」

「羨ましいね。楽しくなってきたよ!」


 アルバート先輩はそう言うと、準決勝同様にウィル先生の方を見て、小声で何かを呟いた。

 そして、あの時と同じ顔をのぞかせた。

 僕は(いよいよ、アルバート先輩の本気がくる!)と身構えた。 

 でも負けるつもりはない。真っ向勝負でアルバート先輩に勝つんだ!


 やはり、先輩は今までとは、一段階、速い動きで間合いを詰め、剣を打ち込んできた。

 僕はそれを避ける、避ける、受け止める、攻撃する。

 ここからは読みの勝負だ!

 準決勝でアレックスは反撃しようとしたが、ことごとく、アルバート先輩に読まれていた。

 アルバート先輩は相手の次の動きを予測することも上手いんだろう。

 だから、アルバート先輩の想像を越えなければ、勝つ事は出来ない。

 しかし、こうやって打ち合っていると、懐かしさを感じる。

 アルバート先輩の動きは本当にウィル先生に似ている。

 王宮にいた頃はよくウィル先生に手合わせしてもらったものだ。

 僕自信もウィル先生の動きを参考にした部分は多い。

 昔の事を思い出していると、僕はある事を思い出して、勝利への道筋が見えた気がした。

 僕は今、思い付いた事が合っているかどうか、確かめるためにアルバート先輩の動きを見極めて攻撃する。

 すると、思った通り、攻撃が当たった。

 アルバート先輩は警戒して間合いをとった。

 いける! やはり、自分の考えは正しかったみたいだ。

 初めて攻撃が通り、アルバート先輩は警戒している。今がチャンスだ。

 僕はすぐさま、間合いを詰め、攻撃する。

 アルバート先輩のある癖を見逃さずに攻撃をする、攻撃する、攻撃する。

 アルバート先輩も負けずに攻撃を仕掛けてくる。

 しかし、僕は読み切り、避ける。

 そして、僕はいつもより大振りになっていたアルバート先輩の剣、目掛けて剣を一閃した。

 アルバート先輩の手から剣が弾け飛ぶ。


「参りました」


 アルバート先輩の声で僕は剣を止めた。


「勝負あり! 勝者トーラス!」


 ガイウス先生の言葉の後、競技場中に歓声と拍手が沸き起こった。


「下級生の部、優勝者はトーラス選手です。これにより、学園始まって以来、初めての一学年の生徒の優勝となりました! 観客席の皆様、もう一度盛大な拍手をお願い致します!」


僕はアナウンスを聞き、やっと、優勝したんだという実感が沸いてきた。

そんな感じの僕にアルバート先輩が近づいてきて、握手した。


「おめでとう。完敗だよ。強かった。本当に楽しかったよ!」

「ありがとうございます。僕も本当に楽しかったです。アルバート先輩に勝てたのは今でも信じられません」

「ハハハハ。事実だよ。今日の試合では君が勝っていたということだよ。でも次は負けないからね!」

「はい。僕も負けません!」


「休憩を挟みまして、上級生の部、決勝戦を行います」


 リングから降り、裏に下がると、真っ先にリディアナの姿が目に入った。


「リディアナ、勝ったよ!」

「おめでとう! お疲れ様。かっこよかったよ!」

「リディアナのおかげたよ。ありがとう!」

「違うよ。トーラスの力だよ」


 僕は首をふった。


「試合前にリディアナが側にいなかったら僕はここまで試合に集中する事が出来なかったはずだ。本当にリディアナには助けてもらってばかりだよ」

「私もトーラスからたくさん貰ってるよ。私はこの学園でトーラスに会えて本当に良かったと思ってるよ。トーラスのお陰で救われた人はたくさん、いるよ。だから私たちがトーラスに手を差し伸べるのは当然の事よ」


 あぁ。もう駄目だ。リディアナへの気持ちが抑えられない。

 僕は周り誰もいない事を確認して、リディアナを抱き締めて言った。


「リディアナ、君の事が好きだ! 一人の女性として」


 僕の言葉にリディアナは顔を赤くしていた。


「私も一人の男性として、トーラスが好きです」


 嬉しい! リディアナも僕と同じ気持ちでいてくれた。

 天にも昇る思いっていうのはこういう事なんだな!

 この世界に転生して、様々な幸せな思いをたくさんしてきたけど、比べられないくらい今、僕は幸せだ。

 僕の今の立場は微妙だ。

 でも、僕らはまだ13歳なんだ。

 これからの人生、リディアナと一緒に歩んでいけるようにより一層、努力して、良い未来を掴んでみせる!



















ついに、告白しました。

告白のタイミングは悩んだのですが、決勝戦の後になりました。

決勝戦はグダグタになってしまいました。

本当に闘いのシーンを文章にするのは自分には荷が重いですね(笑)

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