対戦相手
「そういえば、アレックスの次の相手はどんな人なんだい?」
「俺の相手は三学年の先輩だよ。確かサティードとかいう名前だったと思う」
僕はこの名前に聞き覚えがあった。
「サティードって、まさかあの時の片割れの方!」
リディアナは気づいたようだ。
「多分、合ってると思うよ。アレックス、家名は覚えてる?」
「確か、ネルバールだったと思う」
間違いないみたいだ。ルミエールお姉様から聞いていた名前と一緒だ。
「トーラスはその先輩の事、知ってるのか。まさか結構、強いとか?」
「強さとかはわからないけど、知ってるよ。少し因縁があるんだよ」
「アナも知ってるみたいだけど、もしかして、二人が買い物に行った帰りに絡んできた上級生の事かしら?」
皆には買い物の時、上級生に絡まれた事は言った。殴られた事は言ってない。
「アンジェリカの思ってる通り、その上級生の片割れだよ」
「なるほど。それは叩きのめしがいのある相手だな!」
アレックスは笑みを浮かべてそう言った。
「実はもう片割れが今回、ロイスをひどい目に合わせた奴なんだよ。だからロイスの敵討ちの意味合いもあるけど、僕の仕返しも含まれているだ」
「なるほどね。本当に先輩は運が無いね」
ロイスは笑顔でそう言った。
「アレックスは自信満々みたいだけど、相手は一応、上級生ですよね。大丈夫ですか?」
カルロスは冷静に分析してアレックスに問いかけた。
「心配してくれてありがとなカルロス。でも心配無用だぜ。俺もトーラスに叩きのめされて自分の未熟さをあらためて感じたからな。今日まで精進をかかさなかったからいけすかない口だけの奴なんて相手じゃないぜ。俺の目標は決勝でのトーラスとの再戦だからな。それまでは負けないぜ。トーラスも決勝まで負けるなよ」
「決勝で会おうアレックス!」
僕らはお互いに健闘を誓った。
「それにしてもアレックスは本当に変わったわね。昔は本当に自分勝手な俺様人間だったのに! 人に対してありがとうなんて死んでも言わない人間だったのに」
「そうね。私、学園に入ってアレックスと友達になれるなんて思わなかったもの」
アンジェリカ・リディアナ順に言った。
「僕は昔の事は知らないけどそんなにひどかったの?」
「ひどいなんてもんじゃなかったわよ。私達の同世代の間ではアレックスとイザベルは我が儘で自分勝手で有名だったからね」
「なんで私も入ってきますの!」
「まぁまぁ落ち着いてイザベル。昔の自分を見つめ直すのも重要な事だよ」
「リディアナもひどいですわ」
それからもアンジェリカとリディアナからアレックス、イザベルの黒歴史ばらしは続きました。
「もうわかりましたから。私達が悪かったですわ」
「これ以上は止めてくれ!」
二人とも床に手をついて懇願していた。
「今の二人は昔とは全然違うよ、僕は二人と友達になれて本当に良かったと思ってるよ。これからもよろしくね!」
ロイスの温かい言葉に二人は泣きそうな顔をしていた。
その後、リディアナはレミーユお姉様の手伝いに戻った。
僕らもロイスの事を医務室の先生に任せて観客席に戻った。




