友情の誓い
医務室に着くと、部屋の前にレミーユお姉様がいた。
「二人とも、やっと戻ってきたわね。ロイス君が意識を取り戻したわよ。友達の子達も来てるわよ。もうそろそろ試合が再開されるから私は仕事に戻るわ。リディアナさんは後で来てくれたらいいから」
僕らはレミーユお姉様に『ありがとうございます』と言い、医務室に入った。
部屋に入ると、アンジェリカ、イザベル、カルロス、アレックスも駆けつけていた。
四人はベットの横に座ってロイスと話をしていた。
アンジェリカが僕達に気づいたみたいで話しかけてきた。
「二人とも、遅いわよ。ロイスが目を覚ましたわよ」
「レミーユお姉様に聞いたよ。ロイス、体の具合はどう?」
「トーラス、リディアナ、心配かけてごめんね。体はまだ少し痛いけど、なんとか大丈夫だよ」
「今はゆっくり休んでくれ。敵は僕が取るから」
僕の言葉にロイスは一瞬びっくりした顔をしたがすぐに笑顔になった。
「あの人も運がないね。次の相手がトーラスなんだから。トーラスもホドホドにね」
「ロイスは本当に優しいわね。トーラス、完膚なきまでにやっちゃいなさい。私達が許すわ!。ねぇ皆」
アンジェリカの言葉に
「もちろん。僕の友達を傷つけたんだ。当然の報いだよ」
「やっちまえトーラス! 俺も頑張るから」
「何か問題になっても我が公爵家の力でもみ消すから安心して闘いなさいな」
「あの先輩に気を使う価値は無いわよ。手加減なしだからね」
皆、相当怒ってるようだ。当たり前だ。大切な友達をあんな目にあわせてくれたんだ。
「無論、僕も手を抜く気はないよ。先輩はしちゃいけない事をしたんだ。しかもまったく反省していない。僕は決して許さない」
僕らはみんな同じ思いだった。
「それにしてもロイスはよく頑張ったな。あんなに武術は苦手だったのによく攻めていたな。相手があの糞野郎じゃなかったら勝てていたさ」
アレックスはロイスを讃えた。
「アレックスの言うとおりだわ。ロイスはかっこよかったわ」
アンジェリカも同意した。
「努力賞を差し上げてもよろしくてよ!」
イザベルはいつも通りだった。
「僕もロイスを見習って武術の鍛練をしようと思う。ロイス、付き合ってくれるかい?」
カルロスの言葉にロイスは『僕でよかったら一緒に頑張ろう!』と言った。
「ロイスは絶対にもっと強くなれるわ。自信を持って!」
リディアナはいつも通り前向きだ。
「これからも一緒に頑張ろう。僕たちにはまだまだ無限の可能性があるんだ。努力さえすれば無限の可能性が開けるよ。今回は残念だったけど、来年の大会でリベンジしよう」
僕らの言葉を聞くと、ロイスは泣いた。
「皆、本当にありがとう。僕はこの学園に入る前からとても怖かった。平民である僕が貴族も通う学園に通うことが。でもトーラスが友達になってくれた。そしてそこからリディアナ、アンジェリカ、アレックス、イザベル、カルロスと友達になる事が出来た。とても嬉しかった。でも心の中で平民である自分が貴族である皆と友達だなんて分不相応なんじゃないかと思っていたんだ。でも今回、こうして皆が僕の事を思ってここに来てくれた事が本当に嬉しいんだ」
ロイスの言葉を皆、真剣に聞いていた。
そうだよね。この中で身分的にはロイスだけが平民だ。気にならない訳がないよな。
僕は前世があるからなのか身分制度にはすごく鈍感だ。前世は一応皆、平等だったから。
「難しい問題だと思うわ。でも生まれなんて関係ないわよ。私達はロイスという人間が好きなの。だから皆、側にいるの。忘れないでロイス、あなたはもう一人じゃないの」
アンジェリカの言葉に皆、頷いた。
そしてアンジェリカはロイスの手に自分の手を重ねた。
するとアレックス、リディアナ、イザベル、カルロスが次々に手を重ねていく。
僕は最後に手を重ねた
「私達の友情は決して壊れない。誰かが困っていたら皆で助ける。いずれ学園を卒業したってこの関係は終わらない。私達はずっと友達よ!」
アンジェリカの言葉に皆が同意した。
僕はしみじみ思っていた。
この世界に転生する事が出来てよかったと
皆に出会えてよかったと
皆に負けないくらい立派な人間になろうと
僕は心の中でそう思った。




