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試合開始!

 開会式が終わると、競技場の入り口にトーナメント表が貼り出されると聞いていたので、僕はアレックス、ロイスと三人で見に行く事にした。


「どんな組み合わせになってるかな?」

「トーラスは知らないのか。生徒会メンバーだろ」

「生徒会長の意向で参加する生徒会メンバーにはトーナメント表の中身は知らされて無いんだよ。僕ら生徒会メンバーだけ先に闘う相手が分かっていたらフェアじゃないだろ」

「そりゃあそうだな」

「二人は余裕があっていいなぁ。僕は緊張で心臓バクバクだよ」


 ロイスはとても緊張しているようだった。


「ロイス、この段階で緊張してたら本番で実力を発揮できないぞ! リラックスしろ。トーラスと特訓したんだろ。自信を持てよ」


 アレックスはロイスを奮い立たせようと言葉を発した。


「勝てるかどうかは僕にはわからない。でもロイスの努力は近くで見ていた僕が一番わかってるからアレックスが言った通り自信を持って勝負に挑むべきだよ。一生懸命やった先に勝ち負けはおのずと付いてくるよ」


 ロイスは僕達の言葉で少しは気持ちが楽になったみたいで『一生懸命頑張るよ!』と言っていた。


 そんな感じで話しながら向かっていると、競技場の入り口が見えてきた。

 そこにはすでに沢山の人が集まっていた。

 僕らは人混みを通ってトーナメント表が貼られている掲示板の前まで行き左から順番に自分の名前を探す事になった。


「俺の名前はあったわ。初戦は二学年の人だ。二人の名前はあったか?」


 最初にアレックスの名前を見つけた。そのまま右に視線を移していくと僕とロイスの名前は並んでいた。

 最初は1回戦で当たるかと思って驚いたけどよく見ると1回戦は別の相手で勝ったら2回戦で当たるまで組み合わせだった


「良かったよ。トーラスが1回戦の相手じゃなくて。でも勝てたら2回戦にトーラスに挑めるのは嬉しいな」


 しかし嬉しそうにしていたロイスが再びトーナメント表を見て少し顔を歪ませる。


「でも初戦は三学年の人だ」


 トーナメント表を確認した僕らは試合までまだ時間があるので観客席にいるアンジェリカ・イザベル・カルロスに会いにいく事にした。リディアナは生徒会の仕事でレミーユお姉様の補佐をしている。


「みんな、開会式お疲れ様! トーナメント表どうだった? 初戦は勝てそう?」

「俺とトーラスは大丈夫そうだけど、ロイスの相手が三学年の人なんだよ」

「なるほど。だからロイスのテンションが低いのね。でもなんでロイスが落ち込むのか私にはわからないわ?」


 アンジェリカの言葉に一同唖然としていた。


「ロイスが武術が苦手なのは知ってるわ。トーラスと特訓してた事も。ロイスは自分が弱いと思ったからトーラスに頼んだんでしょ。最初から勝てるかどうかわからない相手ばかりじゃないの。相手が三学年の人であっても怯む所じゃないわよ。勝ち負けは問題じゃないと思うわ。自分の今出せる力を全て出しきればいいじゃない」

「そうだよね。僕、トーラスに特訓してもらって相手が一学年や二学年の生徒なら勝てると思い込んでいたよ。驕りがあったよ。ありがとうアンジェリカ。僕、一生懸命頑張るよ。相手がどんな人だって今の自分の力を出しきるよ」


 アンジェリカのおかげでロイスのやる気も戻ったみたいだ。


 その後、皆でおしゃべりを楽しんでいると、アナウンスが流れた。


「ただいまより下級生の部、武術大会を開始します。呼ばれた者は下に降りてきてください」


 アナウンスも終わりついに試合がスタートした。

 僕もの中で最初に呼ばれたのはアレックスだった。


「それじゃあ行ってくる」


 アレックスは意気揚々と降りていった。

 競技場では4試合が同時に行われるように仕切られている。審判は先生達が行う事になっている。


 アレックスの試合が始まった。

 相手は二学年の生徒だが、アレックスなら大丈夫だろう。

 試合開始早々、アレックスは相手に突進していった。僕と闘った時のスタイルは健在みたいだ。

 その後は、アレックスペースで試合が進み、危なげなく相手が降参して試合は終了した。


 その後もトーナメントは進んでいきついに僕とロイスの名前が呼ばれた。

 皆と別れて下まで降りるとリディアナがいた。リディアナからプロテクターと剣を渡されリングに案内された。その途中にリディアナは小声で『頑張って』と言ってくれた。


 僕の相手もアレックス同様二学年の先輩だった。

 お互い礼をして先生の合図で試合がスタートした。

 試合が始まり序盤は様子見のため間合いを取ることにした。相手も警戒しているようで少しの間、膠着状態が続いた。僕はしびれを切らして相手が仕掛けてくるのを待った。

 すると、思惑通り先輩は僕に向かってきた。

 僕は、先輩の剣を受けながら先輩の動きを観察した。

 何度か見ていると、先輩が剣をふるう際に脇が開く癖を見つけたので僕は一瞬の隙をついて先輩の側面に回り込み剣をふるった。

 先輩は反応して剣でガードしようとしたが僕は先輩の剣を弾き飛ばした。

 剣を突きつけると先輩は『参りました。』と言い試合が終了した。試合後は両者、握手をしてリングを降りた。


 僕はプロテクターと剣を返そうとリディアナや係の人を探した。

 しかし、何か起こったのか係の人達が走り回っていた。

 何が起こったんだと僕が思っていると後ろから担架を持った先生達が走ってきた。

 僕は先生達の行く方に向かった。

 すると、そこには何人かの係の人、そして床に寝かせれた人が見えた。

 近くに寄るとそこにはロイスのぐったりした姿があった。





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