武術大会開幕!
あれから定期的に生徒会の会議は開かれた。幾度かルミエールさんが暴走しかけたけど僕とリディアナは魔法の言葉でなんとか食い止めていた。
武術大会の準備は順調に進んでいき武術大会まで一ヶ月を迎えていたある日、僕はロイスからある相談を受けた。
「トーラス、君が生徒会の仕事で忙しいのはわかっているんだけど頼みがあるんだけど」
ロイスは何だか切迫詰まった感じだった
「何かな? もちろん僕に協力出来る事ならなんでもするよ」
「ありがとう。実は僕に武術の稽古をつけてほしいんだ」
「かまわないけど、急にどうしたの?」
「もうすぐ武術大会があるだろ。トーラスは知っていると思うけど平民の生徒は強制参加だからそのために武術を上達させたいんだ。出るからには一回くらいは勝ちたいと思ったんだ。自分なりに努力はしたんだけどまったく上達しなくて。トーラスの武術の腕前は物凄いからトーラスに何か教われば上達するかと思ったんだ」
武術大会は貴族は参加する・しないは自由だけど平民の生徒は必須だ。
ノアールお姉様に理由を聞いたらあまり貴族と触れ合う事が少ない平民の生徒に機会を作るために始まった制度みたいだ。(なら貴族を含めて全員参加にすればいいのに!)と僕は思ってしまった。
この学園はやはり貴族の生徒は貴族同士で平民の生徒は平民同士で一緒に行動する事が普通なのである。
「わかったよ。まだまだ未熟な僕でよければよろしくロイス」
「トーラスありがとう」
こうして僕はロイスといっしょに武術大会までの一ヶ月、武術の稽古をすることになった。
僕は放課後に生徒会活動があるので朝、学園に行く前の時間にやる事になった。
実は僕は学園に来てから朝、武術の鍛練をするのを日課にしていた。ウィル先生から武術は一日サボると取り戻すのに二日はかかると言われているからだ。
僕は初心者のロイス向けに稽古内容を考えた。ロイスはとても熱心に取り組んでくれた。
朝はロイスと稽古、放課後は生徒会で武術大会の準備と忙しい毎日を過ごしているとあっという間に武術大会の日を迎えた。
武術大会当日、僕はいつもより早く学園の生徒会室に向かった。
生徒会室に着くとノアールお姉様、ルミエールお姉様、レミーユお姉様がすでにいた。
僕とリディアナはノアールお姉様とルミエールお姉様だけお姉様呼びするのは少し違和感を感じたので生徒会の上級生の女子生徒の方々はお姉様呼びする事にした。
最初レミーユお姉様と呼んだ時はびっくりした顔をされていたけど、事情を話すと納得してくれた。まぁノアールお姉様とルミエールお姉様は後ろで悔しそうに何か言っていたけど僕はスルーした。
「おはようございますノアールお姉様、ルミエールお姉様、レミーユお姉様」
「おはよう!トーラス君を見てるだけで疲れが吹っ飛ぶわ」
「おはよう!トーラス君!今日も眩しいくらいに可愛いわね」
「お姉様方の言葉はスルーしてね。おはようございますトーラス君。よく睡眠は取れましたか? 初めての武術大会で緊張していると思いますが頑張ってくださいね。私たちも応援してます」
三者三様の挨拶を受けた。一番年下のレミーユお姉様が一番、余裕を感じる挨拶だった。
「ありがとうございますレミーユお姉様。緊張よりもワクワクしてます。楽しみで仕方がありせん」
僕の言葉にノアールお姉様とルミエールお姉様はなんかうろたえて『しまった』とか『何で私は気のきいた言葉一つ言えなかったのかしら』とか言っていたけどスルーした。
その後も続々と生徒会メンバーが集まり、残すは王子二人となっていた。
「バカ二人はほっといて朝礼を始めます。とりあえず最初に今日まで皆、頑張ってくれてありがとう。そのおかげで今年も無事に武術大会を開けます。女性陣はこれから本番の運営は大変だけど頑張りましょう。男性陣は試合頑張ってね。それでは最後に武術大会のプログラムの流れを最終確認するわよ」
最終確認を終えると僕達生徒会メンバーは試合会場に向かった。結局、最後まで王子二人が来ることはなかった。
武術大会の会場は普段、武術の授業を行う練武室ではなく学園の校舎の横にある競技場で行われる。競技場は二つありそれぞれで上級生の部と下級生の部が行われる。
先輩方に聞いた話では将来、軍人になる生徒も多いため結構、激しい試合になることも多く毎年骨折などの怪我をする生徒も少なくないらしい。
対戦形式は時間無制限で相手に参りましたを言わせたら勝ちだ。武器は木剣を使う。
トーナメント制で最後まで勝ち上がった選手が優勝だ。毎年、参加者の数は違うけど6・7回くらい勝てば優勝らしい。
競技場に着くと、もう選手が集まってきていた。
作りは前世の野球場みたいなドーム状でグラウンドの外れには観客用の席がある。先輩方の話では上級生の部には軍の偉い方も視察に来るそうだ。
僕ら男性陣は少し手伝いをした後、大会に出るための準備をするため競技場にある控え室に向かった。
そこはやる気に道溢れた生徒達の熱気ですごい事になっていた。こうして準備を整えた僕は開会式が行われるグラウンドに向かった。
グラウンドにはもうほとんどの生徒会が集まっいた。僕も1学年の列に並んだ。ロイスとアレックスはもう来ていた。ちなみにカルロスは不参加である。
「トーラス、生徒会の仕事お疲れ様! 今日はお互い頑張ろうね!」
「今日はトーラスにリベンジするからな。俺はこの日のために猛特訓してきたから俺と当たるまで負けるなよ!」
「二人とも、僕も負けないよ。頑張ろうね!」
三人で話をしているとついに開会式が始まった。
「皆さん、おはようございます。生徒会長のノアール・ジルベスターです。皆さん、正々堂々、武道の心を忘れずに頑張ってください。ここにセルベリース学園武術大会の開幕を宣言いたします!」
ノアールお姉様の言葉に会場中のボルテージも上がり歓声と拍手の音が木霊した。
その後もルミエールお姉様とレミーユお姉様から注意事項などの話や学園長の話があり、開会式は終了した。
ついに武術大会がスタートした。ウィル先生と約束した武術大会6連覇の第一歩のため頑張ろう!と僕は気を引き締めた。
学園に名前が無かったのでつけてみました。




