第一王子のお世話係
「それでは今日の議題は年末に行われる武術大会についてよ。例年通りに今年も生徒会が武術大会を運営します。皆も分かっていると思うけど武術大会の参加者は特例を除いて男子生徒のみです。ですので運営は女子生徒を中心に行います。男子生徒には補佐をお願いします」
ノアール生徒会長は僕とリディアナにも分かりやすいように説明してくれているようだ。
「今日は下級生の部と上級生の部のそれぞれ1人ずつ運営責任者を決めたいと思います。とりあえず私が指名しますので異論があったら言ってください。上級生の部の責任者はルミエールに、下級生の部の責任者はレミーユにお願いしたいわ。どうかしら?」
ルミエールさんは四学年の女子代表、レミーユさんは三学年の女子代表だ。
「私も是非やらしてほしいわ。ルミエール・エストアール誠心誠意務めてみせるわ。皆、いいかしら?」
「私も大丈夫です。レミーユ・ラストバン、生徒会長の期待に沿えるよう努力します。皆さん、よろしいですか?」
二人の言葉に拍手が起こり無事承認された。しかし第一王子と第二王子は拍手もせず無関心のようだ。
「二人ともよろしくね。総責任者は生徒会長である私が務めます。何かあったらすぐに私に相談してね。あとエリーゼさんとリディアナさんの二人には二人の補佐についてもらうわ」
エリーゼさんとリディアナは了承の返事をした。
こうして武術大会の人事は決まった。会議は順当に進んでいき、途中に休憩時間を取ることになった。
リディアナと話をしていると、ルミエールさんがやってきた。
「あなた達、何て可愛さなの。ヤバすぎるわ。抱き締めていいかしら?」
先程の雰囲気とは別人のルミエールさんがそこにはいた。
僕とリディアナは危機感を感じて席を立ち後退りした。
「逃げなくてもいいのよ。あなた達の嫌がる事は決してしないわ」
ルミエールさんの言動て行動が全く噛み合っていなかった。じりじりと近づいてくる。ついに壁際まで追い込まれてルミエールさんが僕達を抱き締めようとした瞬間、ルミエールさんの後ろから
「ルミエール! 目を離したらやっぱり暴走してたわね。トーラス君とリディアナさんを怖がらせてどうするのよ」
その声はノアール生徒会長だった。
「ごめんなさいね。ルミエールは可愛いものに眼がないのよ。可愛いものを見ると時々、こんな感じに暴走するから気を付けてね」
しかしルミエールさんはまだ諦めていないようだ。
「少しだけでいいから。少しもふもふするだけだから」
「いい加減になさい。これ以上続けたらあなたの補佐にクライブをつけるわよ」
ノアールさんの言葉にルミエールさんの動きが止まった
「それだけは止めて。クラスであのバカ王子の暴走を止めるのも疲れるのにあいつが一番テンションの上がる武術大会の時に近くにいるなんで会長は私に死ねと言っているんですか?」
ルミエールさんがそんな事を言っていると
「誰がバカ王子だ!」
更にこの場をややこしくする人物が乱入してきた
「バカにバカと言って何が悪いの。私があなたのせいでどれだけ苦労してるか分かってるの? あぁバカ王子には理解する知能なんて無いわよね。ごめんなさいね」
ルミエールさんは第一王子に対して更に追い打ちをかけた。その後も二人の言い合いは続き僕とリディアナはポツンとその状況を眺めていた。
するとノアール生徒会長が小声で囁いた。
「二人ともびっくりしてるでしょ! クライブを止める事が出来るのは私を除けばルミエールだけなのよ」
ノアールさんの言葉に止められてはないと思うけどなぁとは思ったが流す事にした。
「そうなんですね。ノアール生徒会長、ルミエールさんから助けていただいてありがとうございます」
僕とリディアナは二人で礼を言うと何故かノアールさんは不満そうだった。
「ノアール生徒会長じゃないでしょ。お姉様と呼んでちょうだい!」
僕とリディアナは顔を付き合わして二人で『ノアールお姉様』と呼ぶ
「あぁもう! 二人とも可愛すぎるわ」
ノアールお姉様は飛びついて抱き締めてきた。
僕とリディアナはもぞもぞと体を動かすが抜け出せなかった。そんな時、声が聞こえてきた。
「会長、ずるいですよ。私の行動は阻んどいて自分は二人に抱きつくなんて! それに聞いてましたよ。何お姉様呼びさせてるんですか。二人とも私のこともルミエールお姉様と呼んでいいですからね」
もう僕とリディアナはこの状況についていけなくなっていた。
「うるさいわね。ルミエールは第一王子のお世話係らしくクライブでも愛でてなさい!」
「その称号はクラスの皆が勝手に呼んでるだけですから。なんで私が可愛さの欠片もないバカ王子を愛でないといけないんですか」
今度はノアールお姉様とルミエールお姉様の言い合いが始まってしまった。
僕らがあたふたしているとレミーユさんが近付いてきた。
「二人とも大丈夫ですか? 私、この状況をおさめる魔法の言葉を知っているんですが知りたいですか?」
僕らは藁にもすがる思いでレミーユさんにその魔法の言葉を聞いた。僕はリディアナとその魔法の言葉を言うことにした。
「ノアールお姉様!」
「ルミエールお姉様!」
僕とリディアナが二人を呼ぶと二人はこっちを向いた
「これ以上僕達の事で争ったら」
「お姉様達とはもう生徒会の仕事以外で口を聞きませんからね!」
僕とリディアナは言葉を言い終わると顔をプイッと背けた
すると二人は勢いよく駆け寄ってきて『ごめんなさい。言い争わないからそんな事言わないで!』と嘆いた。
僕とリディアナは『約束ですよ!』と言うと二人は勢いよく頭を上下させていた。
なんとかこのよくわからかい状況を切り抜けると丁度、休憩時間が終了した。
しかし前半ほどの勢いもなくあまり進まずに本日の会議は終了して解散となり寮へと戻った。
後半の会話部分なのですが書き方がいまいち分からなかったので
ト→トーラスの言葉 リ→リディアナの言葉みたいな感じにしてみました。




