表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/125

初めての友だち

 ついに学園に行く日がやってきた。僕は今、王都の宿屋にいる。


 なぜかというと今の僕はロンベスター子爵家子息だからだ。


 僕は父の命令で王子の身分は名乗れない。


 王宮では無視され続けてきた僕は知り合いの人以外誰も顔を知られていない。


 しかし、用心は必要ということでとても回りくどいことになった。前日の夜に王宮から王都の宿屋に移動して今、まさに学園に通うために王都にやってきた貴族の子息を装ったのだ。


 ここまでする国王陛下の思惑は僕にはわからなかったが、楽しかったから別にどうでもいい。


 生まれてから1度も王宮を出たことがなかった。だから馬車から見えた王都の街並みはとても新鮮で興味をそそられるものばかりだった。これからは子爵子息として自由に行動できると考えるだけでニヤニヤが止まらない。あと、宿屋のご飯も美味しかった。


 そして、宿屋から馬車に乗り学園に向かった。


 学園は王都の南側にある。敷地はとても広大で全寮制のため、学生寮が併設されている。寮は身分によって3つに分かれている。


 上から王族・公爵家・侯爵家の子供が入る寮、伯爵家・男爵家・子爵家の子供が入る寮、商家の子供・平民が入る寮だ。


 やはり寮によって格差があるみたいだ。

 基本貴族は僕みたいに専属の侍女と護衛を連れてくる。しかし、侍女と護衛は寮のみで学園の校舎には足を踏み入れない決まりになっている。それは一応は校舎内では皆平等であるという理念にあるらしい。侍女は寮での身の回りの世話。護衛は校舎以外での行動における護衛だ。


 しかし、いくら学園側が平等といっても商家や平民のものをバカにする者は出てくるらしい。この国には貴族にしか家名がないのだ。だから最初の自己紹介でわかってしまうんだ。


 前世の記憶がある僕は家名がないというのがとても違和感に感じてしまう。クラス分けは入学してすぐの学力テストで分けられる。なので元々優秀な成績を修めて学園に入学を許された平民は皆一番上のクラスにくる。それが更に貴族の反感を買ってしまう要因になっているらしい。


 ついに馬車が学園に到着した。門の前にはたくさんの人が集まり入学許可書のチェックが行われていた。


 僕らも馬車を降り列に並んだ。少し時間はかかったが無事門をくぐることが出来た。まずは荷物を置きに寮に向かった。


 寮に入ると寮長さんに名前を言い、部屋の鍵を渡された。部屋に入り荷物を置きフロースとリネットに「じゃあ行ってくるね!」と言って部屋を出た。


 校舎に向かうと教室に案内された。教室には30人くらいいた。ここで学力テストを受けるみたいだ。周りを見渡すと皆知り合い同士でしゃべっていたり勉強していたり様々だ。


 たくさん友達出来るといいなぁ。


 そんな事を思っていると、前の席の女の子がしゃべりかけてきた。

「はじめまして!私はリディアナって言います。気軽にリディアナって読んでね。君かっこいいね。金髪碧眼でまるでおとぎ話に出てくる王子様みたいだね」


 彼女は茶色の髪に空のような青色の目をしたとても明るい雰囲気を醸し出す少女だった。


「ありがとう。そんな事言われたの生まれて初めてだよ。この碧色の眼は母親ゆずりでとても気に入ってるんだ。誉められてすごく嬉しいよ。君の眼もきれいだね。僕はトーラスと言います。僕のこともトーラスって呼んでください。地方から出てきて知り合いがいないんだ。話しかけてくれてとても嬉しいよ」

「トーラスって子供っぽくないね。言葉づかいが丁寧でもしかして貴族の子息?」


 リディアナの言葉に少し動揺した。


「そうだよ。父は子爵を賜っているよ。リディアナは?」

「私は伯爵家の娘よ!まぁ身分なんてこの学園では関係ないわ。それに偉いのはお父様であって私じゃない。私たちはお父様たちみたいな大人になるためにこの学園に来ているのだもの」

「そうだね。僕もこの学園でたくさんの事を学びたいんだ。将来たくさんの人の役に立ちたいんだ。そしてここでたくさんの友達を作りたいと思っているんだ」

「私たちなんか似た者同士ね。わかったわ。この私が栄えあるトーラス友達第一号になってあげてもいいわよ。なんちゃってね。改めて友達になろうトーラス。私お母様に言われた事があるの。学園に行けば素晴らしい出会いがたくさん待っているわって」


 何かふとマアサの事が頭に浮かんだ


「リディアナよろしくね。リディアナの友達にふさわしい人間になって見せるよ」

「フフフ。本当に真面目ね」


 僕はその笑顔を見た瞬間、何かわからない感情が体の奥から込み上げていた。

 その後、リディアナといろいろ話をしていると先生らしき人が教室に入ってきた。


「みなさん、ご入学おめでとう! 早速だが、クラス分けの試験を始める」


 先生の言葉に教室には緊張感が生まれた。その後すぐに紙が配られテストはスタートした。

 テスト内容は様々な教科の基礎問題ばかりでとても簡単だった。その日はテストのみで終了して寮に帰った。


 寮に帰った後、食事をリネットに用意してもらい、食べた後、すぐにベッドに入った。


 ベッドの中で今日の事を振り返っていた。初めて友だちが出来た。リディアナはとてもしっかりした子であの笑顔はとても可愛かった。気がつくとリディアナの事ばかり考えていた。少し経つと、疲れが出たのか眠りに落ちていた。








リディアナはもちろんマアサの娘です。

そしてメインヒロインです。

まだ幼いトーラスは自分の恋心には気づいていません。これからどんどん自覚してもらってリディアナにもトーラスの事を好きになってもらいたいですね。

多分山あり谷ありだと思いますが応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ